イランの核開発問題を巡るイランと欧米など関係6か国との協議が7日からスイスのジュネーブで開かれ、前回、イラン側が核兵器開発の疑惑をふっしょくするとして示した提案を土台に、双方が具体的な交渉に入る見通しです。
イランの核開発問題を巡るイランと欧米など関係6か国の協議は、7日から2日間の日程で、スイスのジュネーブで開かれます。イランのロウハニ政権のもとで初めて開かれた先月の協議では、イラン側が核兵器への転用が懸念される濃縮度20%のウランの扱いなどについて新たな提案を示し、双方がこれを評価する共同声明をまとめています。
今回の協議では、欧米との関係改善を図るイランのロウハニ政権が先月示した新たな提案を土台に交渉が行われる見通しで、提案には、核兵器への転用が懸念されるウラン濃縮活動の規模の縮小などが含まれているとみられています。
イランでは、核開発問題の最終的な決定権を握る最高指導者のハメネイ師が、今月3日の演説で、ロウハニ政権の核交渉チームを支持する意向を表明しています。これを受けてロハニ政権は協議の早期打開に自信をみせています。イランの核交渉責任者であるザリフ外相は5日、フランスの海外向けテレビ局「フランス24」のインタビューに対し、「相手があることだが、今週にも合意に達することができると信じている」と述べました。
一方、この協議を前にアメリカ政府高官は6日、イラン側がウラン濃縮活動の拡大をやめれば「アメリカ側も、限定的で対象を絞った経済制裁の緩和に応じる用意がある」と述べました。そのうえで、今回の協議では信頼醸成のために双方がとるべき最初の段階の措置について合意を目指す考えを示しました。
ただ、最終的な合意が得られるまでは、経済制裁の全面的な解除はないとイラン側をけん制しています。アメリカ政府としては、議会などからイランへの経済制裁を強化するべきだという圧力もあるなか、できるだけ早く具体的な成果を得たいという思惑があるとみられ、イラン側との間で突っ込んだ議論が交わされるものとみられます。
核開発問題の解決で欧米による経済制裁が解除されることに国民の期待が高まるなか、イラン側は1年以内の合意を目指しており、今回の協議が試金石となりそうです。