イラン核開発を巡る問題

すでにお伝えしましたように、イランの核開発問題をめぐり、イランと国連安保理常任理事国にドイツを加えた6か国との協議はカザフスタンのアルマトイで2日間にわたり開催されました。27日、双方が3月と4月に新たな協議を行うことで合意しました。これはこの10年間行き詰まってきたイランの核開発問題の解決に新たなチャンスをもたらすと期待されています。


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今回の協議では重要な打開の兆候はありませんでしたが、新たな協議についての合意は前進の可能性を示唆しています。6か国はイランに対し非石油・金融部門関連の制裁を(ゆる)める代わりに、濃縮ウラン製造問題で同国の譲歩を求めています。アメリカの高官は、「イランはこの提案に注意深く耳を傾けたようだ」と述べました。

一方、イラン側は「6か国の姿勢は前向きで現実的なものだ」と称賛しました。イランの最高指導者ハメネイ師の側近と見られている交渉責任者サイード・ジャリリ最高安全保障委員会事務局長は協議後、「6か国の提案は過去の彼らの発言と比べると、より現実的だ。今回の協議は前向きな一歩であり、前向きで建設的なアプローチと相互的な措置をとることで完結できると考えている」とアルマトイで報道陣に述べました。

さらに、イランのアリアクバル・サレヒ外相はオーストリアのウィーンで、「この結果について非常に楽観的だ。事態は転換点にあり、アルマトイ協議は画期的な出来事となるだろう」語りました。

関係者によりますと、次の協議は、政府高官レベルで3月17日と18日の両日にトルコのイスタンブールで行われ、ジャリリ氏と6か国を代表するEU=欧州連合のキャサリン・アシュトン外交安全保障上級代表の協議は4月5日と6日の両日アルマトイで開かれる予定だということです。

しかし、アメリカ側はイラン側の対応に期待も警戒も示しています。今回の協議について、アメリカのケリー国務長官は27日、訪問先のパリで「協議は有益なものだった」と述べた一方、イラン側が核施設の閉鎖などの要求には応じない考えを示し、欧米側にさらなる譲歩を求めていることについては「イラン側が提案をよく検討することを期待している」と述べました。

そのうえで、ケリー長官は「オバマ大統領はイランに核兵器を持たせないという決意を明確にしている」と述べ、軍事攻撃も排除しない姿勢を改めて示唆し、イランに歩み寄りを促しました。

こうした中、国際世論は「イランの核開発問題の行き詰まりが完全に打開されるまでの道のりはまだ遠い」との予測を出しています。

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