イラン核開発問題の行き詰まり

イランの核開発問題を巡って、今月中旬に欧米側との交渉が再開される見通しとなるなか、イランは、関係が深いイラクや中国などでの開催を提案しています。イラク外務省によりますと、同国は協議をトルコでなく、イラクで行うということです。国際世論は今回の交渉に期待をかける一方、関係各側が強固な姿勢を保っていることから、イラン核開発問題の行き詰まりを打開するのは容易ではないとの懸念も示しています。

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                         イランの原発

欧米側は対イラン経済制裁を強化するとともに、あらゆる面でイランに対する圧力を加えています。アメリカのオバマ大統領は3月30日、イラン中央銀行と石油貿易などで取引した外国の金融機関を、アメリカ金融システムから締め出す制裁措置を発動することを承認しました。6月28日から制裁が科されることが確定しました。

さらに、同大統領は、3月2日付のアメリカの雑誌「アトランティック」の電子版とのインタビューで、イランの核問題への対応について「いかなる選択肢も排除しない。軍事的要素も含まれる」と述べ、イランがあくまで核開発を進める場合には、軍事力行使も辞さない考えを強調してみせました。

これに対し、イラン側は強固な姿勢を示しています。イラン革命防衛隊のある幹部は記者団に対し、「アメリカによる攻撃を受けた場合は報復する」と強調しました。同幹部は「イランはどの国に対しても最初に攻撃をしかけることはない」と言明したと同時に、「いかなる攻撃に対しても激しい報復で応じる。その場合、われわれの攻撃は中東やペルシャ湾岸域内にとどまらない。我々の攻撃により、アメリカに安全な場所はなくなるだろう」と語りました。

アメリカの同盟国であるイスラエルも「イランがあらゆる圧力に屈服しない」と認めています。イスラエルのネタニヤフ首相は3日、「イランは経済的な問題を抱えているが、核開発では1ミリも後退していない。制裁が期待通りの効果をあげられるかどうかは「時間がたてば分かる」とした上で、「まだ変化は見られない」と述べました。

こうした中、国際世論は、「今までも、イランの核開発問題の徹底的な解決策がまだない」との見解を示しています。

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