
写真: Xuan Khu/TTXVN
公式結果で与党の勝利と発表された7月のカンボジア下院選挙をめぐり対立を続ける与党人民党のフン・セン首相と最大野党救国党のサム・レンシー党首は16 日、プノンペンで14日に続いて会談しました。双方は平和的解決を目指す方針で一致したものの、選挙の不正行為を調べる独立委員会の設置については隔たりは埋まりませんでした。
14日にも、人民党副党首のフン・セン首相と救国党のサム・レンシー党首は首都プノンペンの王宮で選挙後、初めて会談しました。7月の下院選挙の結果をめぐる政治対立の解消に向けてシハモニ国王が仲介しました。
会談で国王は双方に話し合いを継続するよう要請しました。サム・レンシー党首は記者会見で今回の会談について、今後の交渉への「第一歩」と評価しました。
下院選をめぐっては、カンボジア国家選挙管理委員会は8日、7月28日に投開票された下院総選挙の公式結果を発表し、フン・セン首相の与党カンボジア人民党の勝利が確定しました。
定数123議席のうち、68議席を獲得して過半数を確保した与党人民党は8日、「フン・セン氏が今後5年、首相を続投することになる」と宣言しました。
一方、最大野党カンボジア救国党は55議席を獲得して改選前の29議席から躍進しましたが、選挙で不正が行われたと主張しています。同日、同党のサム・レンシー 党首は不正を調べる調査委員会の設立を改めて要望しました。要求が聞き入れられない場合、今月15~17日の3日間にわたり、非暴力的な抗議デモを行うと話しました。
救国党は7日にも1万人超の支持者を集めた抗議デモを実施しました。同党の議員は「選挙問題が解決されるまで国会に参加しない」としています。
プノンペンでは15日、反政府デモ隊と治安部隊が衝突し、デモ隊の1人が銃撃を受けて死亡しました。5時間近くにわたった16日の会談で与野党双方は、暴力停止のほか、選挙改革のための仕組みを設けることなどで合意しました。