クウェートの情勢

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クウェートでのでも(写真AFP通信)

クウェートで11月28日夜、同国史上最大規模のデモが発生しました。約9万人が参加し、国会解散などを要請しました。中東地域情勢の緊張が再び増しています。

同日、クウェートのナセル首相が率いる内閣が、総辞職のためサバハ首長に辞表を提出し、受理されました。首長が国民議会を解散し、総選挙となる可能性があります。野党側は、汚職疑惑を理由に首相辞任を求めていました。

また、11月16日にも大規模なデモが発生しました。汚職疑惑をめぐり首相の退陣と議会の解散を求めてデモ行進をしていた数千人が、警官隊に阻止されたあと、国会議事堂に乱入するという事件がありました。目撃者によりますと、野党や活動家らが率いるデモ隊は、議事堂前で集会を開いた後、ナセル サバハ首相の公邸に向けてデモ行進を始めたということです。だが、警官隊が行く手を阻み、デモ参加者らが警棒で(なぐ)られるなどの暴力を受けました。

この時、少なくとも参加者5人が負傷したとの目撃情報があります。デモ隊はこのあと、議事堂の門を破って議場内に乱入しました。国歌を歌ったあと、数分以内に議事堂をあとにしました。同国では、国会議員50人のうち約16人が計3億5000万ドル(日本円で約270億円)の賄賂を受け取ったとされる疑惑をめぐり、3か月前から緊張が高まっています。一部の活動家は首相が退陣するまで、議事堂前での野営を続けると語りました。

同国での政治をめぐる暴力は、デモに参加した民衆や議員が警棒で殴られた昨年12月以来のことです。活動家らは今年3月から抗議行動を続けています。今後も大規模なデモが再び発生する可能性もあるということです。

一方、クウェートには現在、アメリカ兵2万9000人が駐留しています。そして、アメリカがイラクからの軍撤廃を完了してから、クウェートに数千人の兵士を増派することを検討中です。このため、現段階はセンシティブな期間だといえます。国際世論は「今後、クウェートは多くの困難に直面する」との予測を出しています。

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