シリアとトルコとの緊張関係を巡る問題

シリアが22日にトルコ軍のF4型ジェット戦闘機を撃墜した事件に加え、トルコのアルンチ副首相は25日の記者会見で、撃墜されたトルコ機の捜索に当たっていた軍輸送機がシリア軍から再び攻撃を受けたことを明らかにしました。これらの動きで、かつての同盟国同士だった両国間の関係は悪化しており、地域内での武力紛争に発展する恐れがあるだけでなく、外国勢力がこの地域に干渉するためのチャンスともなると評されています。

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トルコのF4型戦闘機

トルコのダウトオール外相は国営テレビで、シリアは意図的に偽情報を流していると非難しました。同外相は「戦闘機はシリアに関する情報収集などしておらず、シリアとは関係ない」と述べたほか、「こうした飛行に脅威を感じるのは悪い意図があるからだ」とし、断固対応すると付け加えました。さらに、トルコの国連代表部は、国連安全保障理事会の6月の議長国である中国の李保東国連大使とバン・キムン事務総長に書簡を出し、「強い非難」を表明しました。

一方、シリアは25日、撃墜を「正当防衛」だ主張し、トルコの要請で26日に協議を行うNATO=北大西洋条約機構の報復行為をけん制しました。シリア外務省の報道官は、同機がシリアの領空を侵犯していたため直ちに対処する必要があったとし、「たとえシリアの航空機だったとしても撃墜していた」と強調し、「シリアの主権を防衛するための行為だった」と述べました。

こうした中、欧米諸国はチャンスを見逃さず、シリアに対する強固な姿勢を示しています。EU=欧州連合は25日、ルクセンブルクで外相理事会を開き、トルコ軍機がシリアに撃墜された事件は「許されない」と非難する声明を発表しました。シリアのアサド政権を支援する6企業・団体の資産凍結など追加制裁も決めました。また、同日、アメリカのカーニー大統領報道官は、「アサド政権に責任を取らせるため、トルコや他のパートナーと協力していく」と述べ、シリアの責任を追及する姿勢を強調しました。NATOもトルコの要請を受け、26日にこの問題に関する会合を開きました。

国際世論は「シリアは国内問題を解決しながらも西側諸国から日増しに高まっている圧力に直面している。これは同国国内の政治危機を新しいレベルに発展させる非常に危険な要素で、中東地域での緊張激化につながる可能性がある」との懸念を示しています。

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