(VOVWORLD) - 内戦が続くシリア情勢を巡って、ロシア、トルコ、イランの3か国の首脳らは22日、ロシア南部のソチで会談し、アサド政権側と反体制派も参加し、今後の統治について話し合う会議を開催することで合意しました。
会談後発表された共同声明では、シリアのアサド政権と反体制派の代表が参加して、新憲法の制定などを話し合う「国民対話会議」を近く開催する方針で合意したことを明らかにしました。
(写真:AFP/TTXVN) |
会談の前に、ロシアのドミトリ・ペスコフ大統領報道官は、「関係各側は問題解決や、シリアでの長期的安定を目指している」と明らかにしました。
積極的結果
これまで、シリア問題をめぐって、ロシア・トルコ・イランの立場の間には相違点がありますが、この会談の結果は、問題解決を目指すこの3カ国の緊密な協力を示すものです。また、3カ国の首脳が発表した共同声明により、シリアに関する優先課題が確認されました。
シリアの停戦合意の維持に向けた3か国の連携について、首脳らは、「満足している」と表明したうえで、暴力を抑制するため、協力を続けることを確認しました。特に、トルコとイランの首脳らは、シリアの「国民対話会議」の開催に関するロシアの構想に賛同し、自国の関係各機関に対し具体的な計画を立案するよう指示しています。
この対話会議は、アサド政権と「主権と独立、統一と領土の一体性、シリア政府のまとまりを尊重する反体制派」に参加を呼びかけるということです。
さらに、共同声明は、ロシアとトルコが主導して、一部停戦を実現した昨年末以来、過激派組織「イスラム国」などテロ組織に対する掃討作戦が「決定的に進んだ」としています。また、「国の再建と危機の政治的解決に向けシリア国民に協力していく」と強調しました。
共同声明の実施
共同声明の発表は3カ国の善意を示しますが、その実施は容易ではないと指摘されています。プーチン大統領自身もそれを認め、22日の会談で、「そのプロセスは簡単ではない」と語りました。
一方、シリア反体制派の反応も望ましくないのです。ロシアの主導で新たに開かれる会議について、シリアの反政府勢力の主要なグループ「最高交渉委員会」は、「アサド政権の存続を目的としたものだ」と反発し、参加を拒否する姿勢を示しています。
シリアの政治プロセスの協議は、これまで国連の仲介の下、スイスのジュネーブで行われてきましたが、具体的な成果が出ていないのが実情で、アサド政権の軍が圧倒的な優位に立つ中、ロシア主導で内戦の終結を図る姿勢を鮮明にした形です。