シリア内戦を巡る問題

この19ヵ月間続いているシリア内戦は新しい動きが出ています。これはシリアのアサド大統領が26日から29日までのイスラム教の犠牲祭期間中の一時停戦案に合意したということです。これは国際社会がシリア一般人を救援する人道活動を行うチャンスおよび国連の決議2042号と2043号に従うシリアでの暴力停止と持続的な停戦へ向けての前提とみられています。しかし、アナリストらは「シリアの現状から見れば、まだ楽観視できない」との見方を示しています。

シリア内戦を巡る問題 - ảnh 1

国連安全保障理事会は24日、シリア情勢を巡り非公開協議を行い、国連とアラブ連盟のブラヒミ共同特別代表が提案しているイスラム教祝祭「犠牲祭」期間中の停戦案をアサド政権と反体制派双方が受け入れるよう求めるプレス声明を採択し、発表しました。声明は「特にシリア政府の対応を求める」とし、アサド政権側の停戦案受諾が先決との姿勢を示しました。

これに対し、アサド政権側は協力的な姿勢を示しました。ブラヒミ特別代表は同非公開協議にテレビ会議の形で参加し、「シリアのアサド大統領がイスラム教の犠牲祭期間中の一時停戦案に合意した」と明らかにしました。

シリア内戦を巡る問題 - ảnh 2
ブラヒミ特別代表

これを受けて、安保理は「この決定を歓迎し、シリア内戦のすべての関係者に対し停戦と暴力停止の実施を政権、反体制派の双方に促すよう要求する」とする報道機関向けの声明を発表しました。ただし、ブラヒミ氏の前任のアナン前国連事務総長が今年の春にアサド大統領から「停戦」を取り付けた際は、履行されぬまま軍事作戦が継続されました。このため、安保理関係者の間では「今回も結局は実現されないのでは」といった懐疑的な見方が目立っています。

シリア内戦を巡る問題 - ảnh 3
シリア難民

こうした中、シリアでの暴力がエスカレートしています。シリア国営メディアなどによりますと、ダマスカス近郊のドゥマで24日、女性や子どもを含む市民25人が死亡したということです。シリア情報省は声明を発表し「テロリストが関わった」虐殺として反体制派を糾弾しました。これに対し、反体制派側はアサド政権による虐殺だと反論しました。

これを踏まえ、国際世論は「シリア内戦の解決策がまだない」と指摘し、また、「トルコがアサド政権に圧力を加えていることなどから、今後もその緊張が増す」との懸念を示しています。

ご感想

他の情報