シリア情勢

激しい内戦に発展したシリアの反体制運動が始まってから15日で2年目となりました。国連によりますと、2年前に蜂起が始まって以来、シリアでは少なくとも7万人の死者が出ています。

国際的に活動する非政府組織セーブ・ザ・チルドレンの報告書は、この2年間で200万人以 上の罪のない子どもたちが紛争の犠牲になっていると指摘しました。子どもたちは食料不足による栄養失調や病気と隣合わせにあり、多くが学校に通うことすらできませんでした。


シリア情勢 - ảnh 1
シリアでの反政府デモ

同団体の責任者、ジャスティン・フォーサイス氏は訪問中のレバノンでロイターの取材に応じ、「シリアの内戦では女性と子どもの死者が最も多い」と語りました。

また同氏は、親友の心臓が撃ち抜かれるのを見た12歳の少年や、毎日のようにたばこの火を押し付けられた15歳の少年に出会ったことも明かにしました。

このような中、アサド大統領の属するイスラム教少数派アラウィ派を中心とした政権指導部の権力基盤は依然として固いものの、スンニ派を中心とした反体制派は北部や東部で支配地域を広げています。首都ダマスカス周辺や北部の要衝アレッポでは一進一退の攻防が続いており、内戦は長期化の様相を呈しています。

内戦が続くシリアを巡ってフランスのファビウス外相は、EU欧州連合の合意が得られなくても、独自にシリアの反政府勢力に対して武器を供与していく考えを示しました。こうした中でファビウス外相は「ロシアやイランはシリアのアサド政権に公然と武器を渡している。反政府勢力に自己防衛のための武器を渡すべきかどうか、議論するまでもない」と述べ、シリアへの武器の輸出を禁じた措置を解除するよう、イギリスとともにEU側に求めていく考えを示しました。

そのうえでEUがことし5月に予定しているシリアへの輸出禁止措置を続けるかどうかについての協議を前倒しして行うよう、求めていくとしています。

イギリス訪問中のロシアのラブロフ外相は、イギリスがシリア反体制派への武器供与を示唆したことについて「国際法に違反している」と指摘、強い反対を表明しました。

これに先立ちイギリスのヘイグ外相も、アサド政権打倒を目指すシリア反体制派に武器を供給する意向をほのめかしていました。キャメロン首相も12日の議会で 「我々のやり方でやらざるを得ないかもしれない」と述べ、反体制派の支援に関してイギリス独自の外交政策を取る可能性があることを示唆しました。

シリア情勢への平和的措置を見出すためには、同国における全ての関連各側と国際共同体の全勢力による話し合い解決が最も好ましいといえます。しかし、近い将来の実現されにくいようです。

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