ズン首相、韓国公式訪問の成果

すでにお伝えしましたように、今月26日から29日にかけて、ベトナムのグェン・タン・ズン首相は第2回核安全保障サミットへの参加と韓国公式訪問を行ないました。
ズン首相は第2回核安全保障サミットへの出席を通じて、国際社会に対し、核エネルギーの平和利用に対するベトナムの終始一貫した立場を再度確認しました。サミットに発表されたスピーチで、ズン首相は「軍縮と核兵器の不拡散は核の安全保障にとって重要な役割を担っている。それぞれの国は核エネルギーの平和利用に関する権利を持っている。ベトナムは世界各国と協力して核エネルギーの平和利用に取り組んでいる」とのベトナムの見解を明らかにしました。この問題について、ベトナム科学技術省のグェンクアン大臣は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムと韓国は衛星観測技術を利用して、放射性物質の汚染分布を調査する研究プロジェクトの共同実施を原則的に合意しました。このプロジェクトが実施されれば、ベトナム国内と国外からの放射性物質の管理に大きく寄与することでしょう」
グェンクアン大臣はこのように語りました。

一方、第2回核安全保障サミット開催期間中、ズン首相はベトナムの戦略的パートナを始め、このサミットに参加していた各国の首脳との一連の2国間会合を行いました。これらの会合で、各国の首脳は国際社会におけるベトナムの地位を高く評価するとともに、ベトナムとの戦略的関係の深化に対する決意を表明しました。
ズン首相は核安全保障サミットが終了した時点で、韓国公式訪問に切り替えました。これは「ベトナム韓国友好年2012年」と両国の外交関係樹立20周年を記念する最初の出来事となります。韓国を訪問期間中、ズン首相は韓国のイミョンバク大統領と会談を行い、外交、国防安全保障、科学技術、教育養成などの分野におおけるベトナムと韓国との協力の強化を目指す措置について討議を行いました。これについてベトナム外務省のレールオンミン副大臣は次のように語りました。
(テープ)
「双方は2015年前に両国間の取引額を2百億ドルにする目標を設定しました。この目標の実施のため、双方は両国間の自由貿易協定の締結に向けた交渉を早期に開始することで一致。韓国は農産物を始め、ベトナム製品の韓国への輸出に有利な条件を整えることを確約しました。」
ミン副大臣はこのように語りました。
29日午前、ソウルで、ズン首相は「持続可能なグリーン成長のため経済パートナーシップ強化」をテーマにした円卓会議を主催しました。会議で、ズン首相は「ベトナムは韓国の各企業がインフラ整備、ハイテク技術、加工業、製造業、エネルギー、グリーン成長などの分野におけるベトナムとの協力に有利な条件を作り出すことを強調し、韓国の洪錫禹(ホン・ソクウ)知識経済部長官は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムの戦略的パートナーとして、韓国はベトナムが近代的な工業国になるための目標の実現に寄与することができます。今年から、韓国は科学技術、人材育成、裾野産業などの分野における協力を促進します」
ホン・ソクウ知識経済部長官はこのように語りました。
ズン首相の今回の韓国訪問はこの20年における両国間の協力に重要な節目を記しています。これにより、今後、両国間の戦略的なパートナー関係はさらに強化されることでしょう。