スーダンと、昨年7月にスーダンから分離独立した南スーダンの国境周辺で9日と10日の両日、両国軍が衝突しました。両国は石油権益の配分を巡る話し合いが暗礁に乗り上げ、対立を深めてきました。両国は3月末にも衝突しており、全面的な紛争につながる可能性が懸念されています。
AFP通信などによりますと、南スーダンは領内の町がスーダン軍の空爆を受け、4人が負傷したと主張しています。これに対して、スーダンは、南スーダン軍がスーダン側の油田地帯に攻撃を加えていると反論しています。国境地帯では先週、両国軍の軍事衝突が続いたばかりです。ロイター通信などによりますと、スーダン軍報道官は空爆や戦闘機撃墜の事実を否定しましたが、双方の軍事的な緊張がさらに高まっています。
これに先立ち、軍事衝突を受けてエチオピアの首都アディスアベバで2日から行われていた南北スーダンによる交渉は4日に合意なしに終了し、決裂しました。同日、南スーダン軍報道官は、スーダンとの国境に近い南スーダン北部ユニティ州の上空を飛行していたスーダン軍の戦闘機を対空砲で撃墜したと述べました。同報道官によりますと、戦闘機は撃墜される前、ユニティ州の油田周辺を空爆したということです。
さて、先月も南北スーダン間の衝突が発生しました。南スーダンは、同国北部のユニティ州にある油田地帯をスーダン軍が空爆したと非難しました。スーダン側は空爆について否定しましたが、油田地帯ヘグリグのスーダン側が管理する地域に南スーダン側部隊の砲撃があり、それに反撃したと明らかにしました。両国は石油収入に依存していますが、油田の4分の3は南側にある一方、パイプラインでつながった輸出港は北にしかありません。石油収入の分配交渉が折り合わず、関係が悪化しています。
こうした中、国連安全保障理事会は3月27日、南北スーダンの武力衝突について懸念を示し、新たな戦争に発展する恐れがあるとして、双方に軍事活動の停止を求めましたが、国際世論は「この両国の紛争が徹底的に解決されるまでは道のりがまだ遠い」との見解を示しています。