(VOVWORLD) - この10年以上、ベトナム中部港湾都市ダナンのハイチャウ区では、ごみ分別が徹底的に行われており、資源ごみと他の一般ゴミを分別しています。資源ごみによる収益は、地元の福祉基金に使われており、貧しい人の生活改善に役立っています。
ごみを分別している ハイチャウ区の区民 |
ハイチャウ区トゥアンフォック地区のビンフォック居住地に住んでいるグエン・ヴァン・トンさんの家にはゴミ箱が2つあります。一つは有機ゴミなどを入れるものであるのに対し、もう一つは、ペットボトルや紙、缶詰などの資源ごみを入れるものです。トンさんは次のように話しました。
(テープ)
「分別ごみは市のごみ処理費用の削減につながると思います。また、ごみ分別は、きれいな居住地づくりに役立っているとともに、その収益は貧しい人への支援にも使われています。これは、小さな努力から生まれた大きな効果だと思います。」
ハイチャウ区トゥアンフォック地区人民委員会のレ・ティ・ハー副委員長によりますと、ハイチャウ区のゴミ分別は、京都大学の支援で2008年に展開された「環境保護に対する地元の人々の認識向上プロジェクト」をきっかけに実施されました。このプロジェクトは、住民たちに分別ごみのやり方を教えたもので、資源ごみのリサイクルを通じてごみの収益の増加を目指すものでした。2018年だけで、トゥアンフォック地区の資源ごみによる収益は2億ベトナムドン(日本円で約100万円)にのぼりました。トゥアンフォック地区人民委員会のレ・ティ・ハー副委員長は次のように話しました。
(テープ)
「ごみのリサイクルによる収益は、中秋節や6月1日の「子どもの日」にあたって行われる子どもを対象とするイベントの開催や、立派な成績を収めた貧しい生徒への奨学金、貧しい世帯への支援などに使われています。その収益により、大きな福祉基金を得ている居住地が多いです。」
資源ごみを出している住民 |
ダナン都市環境株式会社のチャン・ヴァン・ティエン副社長によりますと、ダナン市は毎日約千トンのゴミを処理しなければなりませんが、そのほとんどは土の中に埋められています。しかし、ごみを埋める場所がなくなっているのが現状です。そのため、ハイチャウ区の分別ゴミ方式を市内の全域に広げることが差し迫った課題となっているとしています。また、ティエン副社長はプラスチックごみの問題も深刻になっていると述べ、次のように話しました。
(テープ)
「住民に、ビニール袋に代わる環境にやさしい袋を使うよう訴えることはとても重要だと思います。住民たちに、ビニール袋などによる環境問題の深刻さを理解してもらうための宣伝啓もう活動を強化しなければなりません。」