(VOVWORLD) - EUのけん引役を果たしているドイツの連立政権発足はドイツの「政治空白」を解消するだけでなく、EUが最も期待しているニュースとなっています。
去年9月の議会選挙以来、新たな政権づくりが難航していたドイツで、メルケル首相率いるキリスト教民主・社会同盟と第2党のSPD社会民主党が政策協議で合意しました。今後、両党内での承認を経て、22日にも大連立に向けた正式交渉に入る見通しになりました。
メルケル首相(右) |
「政治空白」解消できるか
昨年9月の総選挙では、難民の流入を背景に、2大政党はともに得票率を大きく減らしました。それまで連立を組んでいたSPDの下野表明を受けて、同盟は小政党との連立交渉を始めたものの11月に頓挫し、戦後初の少数与党政権や再選挙の可能性が指摘されていました。再び2大政党による連立に向かう方向となったことで、混迷から抜け出す可能性が高くなりました。
次のハードルは社民党が21日に開く臨時党大会。党内には大連立への反対論が根強く、この場で正式な連立交渉開始の可否を判断します。同党は最終的な連立協定も党員投票で問う方針です。メルケル氏が次期政権を発足できるかどうかは予断できず、再選挙となる可能性もまだ残っています。
しかし、第2党のSPD社会民主党のシュルツ党首は17日、大連立交渉入りの是非を決める21日の党大会について、党員の承認獲得に向けて進展があったとの見方を示しました。
ドイツの連立政権発足 EUにプラス
ドイツ第2党のSPDはドイツだけでなく、ヨーロッパにも大きな影響を与える政党です。SPDのシュルツ党首はヨーロッパで発言力が大きい政治家です。そのため、もし、メルケル首相がSPDとの大連立政権を発足しなければ、SPDは野党になって、ドイツのEU政策実施を妨げる可能性があります。
そのため、EUのけん引役を果たしているドイツの連立政権発足はドイツの「政治空白」を解消するだけでなく、EUが最も期待しているニュースとなっています。