両国の国交樹立45周年にあたり、行われるこの訪問は両国関係に重要な節目となります。この機に、両国は戦略的パートナー関係を確立する予定です。

2009年、ベトナムとオーストラリアは全面的パートナー関係を樹立し、また、2015年3月、全面的なパートナー関係の強化に関する宣言に調印して以来、双方関係は迅速に発展しています。オーストラリアはベトナムをASEANの中の重要なパートナーと見なし、ASEANにおけるベトナムの役割を高く評価するとともに、戦略的パートナー関係の確立を提案しました。

協力体制の効果を発揮

これまで、ベトナムとオーストラリアは二国間関係、中でも国防次官級戦略対話や人権問題対話、開発援助に関する協議、経済貿易協力委員会、科学技術政府合同委員会などの活動が順調に行われています。

国防分野に関して、ベトナムとオーストラリアは訪問団の交換や違法移住の防止、情報や経験の交換、英語教育などで緊密に協力しています。双方は平和維持部隊の育成や地雷・不発弾の除去に関する協力合意書を調印しました。また、オーストラリア海軍の艦艇は数回にわたり、ベトナムを訪れました。さらに、オーストラリアはベトナムに越境犯罪防止センターを開設した唯一の国です。双方はテロや人身売買、麻薬犯罪に関する情報交換を頻繁に行っています。

経済分野で、オーストラリアはベトナムの貿易相手国の中で第8位に立っています。商取引額は年平均7%増となり、2017年はおよそ65億ドルに達し、2016年と比べ、22.2%増となりました。毎年、ベトナムはオーストラリアに冷凍水産物やライチ、マンゴー、ドラゴン・フルーツなどを輸出し、額にして、5億ドルを超えています。また、オーストラリアに、ベトナムの竜眼、ランブータン、ミルクアップル、及び生海老の輸入を働きかけています。一方、オーストラリアはベトナムで18億ドル相当の412件の投資プロジェクトを行い、ベトナムに投資する126の国と地域の中で、第20位に立っています。ベトナムはオーストラリアにおよそ4億ドル相当の投資プロジェクト44件を行っています。

また、教育は両国の中核的な協力分野の一つとなっています。オーストラリアはベトナムの留学生を対象に短期・長期的な教育プログラムを行っています。現在、オーストラリアに在学しているベトナムの学生はおよそ3万人で、両国の大学、大学院は18の教育協力計画を実施しています。

さらに、両国は科学技術、インベンションの分野で協力を強化しています。2017年11月、ベトナム・オーストラリア イノベーション・パートナー・プログラムやハノイでの気候変動対応のイノベーションセンターの設立などを発表し、気候変動への対応や環境保護分野での起業の支援を目指しています。

ベトナムとオーストラリアは地域と国際場裏で緊密に連携してきました。オーストラリアはベトナムが提出した2017年APECに関する構想やアイディアを支持するとともに、ベトナム、及び日本と協力し、参加11カ国によるCPTPP＝包括的かつ先進的な環太平洋経済連携協定の大筋合意に取り組みました。

ベトナムとオーストラリア関係に新たな１ページ

これまで達成した両国の指導者の合意や関係の発展は今後、ベトナムとオーストラリア関係を新たな発展段階に押し上げるものとしています。相互信頼、相互尊重、共通の利益は両国の全面的パートナー関係を戦略的パートナー関係に格上げする基盤となるでしょう。