(VOVWORLD) - 既にお伝えしましたように先ごろ、ファム・ミン・チン首相率いるベトナムの高級代表団は、ASEAN21議長国であるブルネイのボルキア国王の招きに応え、23日と24日の両日、インドネシアの首都ジャカルタで開催されたASEAN=東南アジア諸国連合の指導者会合に出席しました。
チン首相が就任後、ASEANの会合に出席するのは今回が初めてであり、ASEAN加盟諸国との団結と協力を強化し、ASEANの中核的な役割の向上を目指すとしています。ASEAN指導者会合が地域諸国で新型コロナウイルス感染症が複雑に推移している背景の中で行われました。これにも関わらず、ASEAN諸国の指導者らは対面会合に出席することで困難を乗り越え、浮上している差し迫った問題の解決を目指し力を合わせる決意を示しました。
地域の発展に向け様々な構想
チン首相はASEAN指導者会合に出席した際、地域で発生した試練の解決を目指し、様々なアイディアや構想を提案しました。グエン・クオク・ズン外務副大臣は次のように語りました。
(テープ)
「首相は就任からわずか20日ほどで、この会合に出席しました。これは地域問題の解決に対するベトナムの責任感と主体的な姿勢を示しています。ベトナムはASEAN2020議長国としての任務を全うし、国連安全保障理事会非常任理事国と4月の安保理の議長国を務めている唯一のASEAN加盟国としてこの会合の成功へのベトナムの貢献は評価すべきです。」
会合でチン首相は新型コロナの制圧に関するベトナムの経験を紹介し、市民へのワクチン接種、疫病や緊急医療要請に対応するASEAN地域センターの設立、新型コロナ禍の中と収束後の経済回復に関し、様々なアイディアを提出しました。
また、ベトナム東部海域(いわゆる南シナ海)問題に関し、ASEANは共通の立場を堅持し、平和、安定を維持するとともに協力の拡大に関するパートナー国の提案を検討する必要があるとの見解を示しました。
さらにミャンマー情勢に関し、ASEAN顕彰を尊重し、他国の内政を干渉しないという原則を守りながらも、ミャンマー情勢の早期安定化を目指す適切な解決策の模索を支援しなければならないとしています。会合で発表された共同声明によりますと、ベトナムの構想や提案は加盟諸国の支持を得ました。
チン首相、ブルネイ国王と会見
写真提供:VGP/Nhat Bac
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二国間関係を強化
会合への出席に際し、チン首相はASEAN諸国の指導者らと一連の会見を行いました。この機にチン首相はインドネシア、及びマレーシアの指導者らと商取引額を100億ドルと150億ドルに引き上げることで一致しました。
そしてチン首相は新型コロナ収束後の経済回復・発展を目指す措置として直行便の再開や貿易障壁の緩和、投資の拡大、海洋協力、海上での法律施行などをあげました。ズン副大臣は次のように語りました。
(テープ)
「首相の2者会見は実質的な結果を収め、二国間の基本的な問題について取り上げました。また、得意分野での協力の強化や問題点の解決に集中しました。指導者らはあらゆる分野での協力の推進を目指し、ハイレベルでの連携を強化していくことで合意しました。
チン首相の今回の外遊はベトナムの役割、地位、影響力を示し、ASEAN諸国間の団結、コンセンサス、相互支援の強化、ASEANの中核的な役割の向上というベトナムの優先課題を強調しました。また、オープンで刷新政策を進め、国際社会に主体的に参入しているとともに国際社会の責任感あるメンバーとしてのベトナムをPRし、ベトナムと近隣諸国との関係の深化を目指しています。