先ごろ、農業農村開発省は首相に対し、新しい状況におけるコメの輸出強化に関する指示の発布を検討するよう提案しました。これは、世界の食料サプライチェーンにおけるベトナムのコメの威信を高めるとともに、世界の食料安全保障の確保に関するベトナムの公約を実現することが狙いです。

農業農村開発省栽培局のグエン・ニュー・クオン局長によりますと、今年、ベトナムのコメの供給源は豊富です。今年の計画では、全国の稲作の総面積は約710万ヘクタールです。現在、ベトナム最大のコメの産地である南部メコンデルタほか、北部のホン川デルタ、中部各省、および中部高原地帯テイグエン地方の稲作の状況を調査したところ、夏秋作の稲はうまく成長しています。広範囲な自然災害や疫病がなければ、収穫量は記録を更新する可能性が高いとしています。

クオン局長は、世界の需要に応えるために、今年の秋冬作の面積を5万ヘクタール増やすとともに、エルニーニョ現象への対応策を講じてゆくとし、こうした対策により、ベトナムは国内の食料安全保障を確保しながら、コメの輸出を強化することができると強調しました。

クオン局長は次のように語りました。

（テープ）

「昨年、ベトナムのコメの生産高は4270万トンで、輸出量は710万トンでした。今年のコメの生産高は4320万トンに達する見込みで、輸出量も昨年を上回るはずです。それでも、輸出価格は高くなると思います。現在の備蓄米により、コメの供給は確保できると言えます」

一方、農業農村開発省品質・加工・市場開発局のレ・タイン・ホア副局長は、エルニーニョ現象により、コメに対する各国のニーズが高まっており、ベトナムは輸出するコメを確保する必要があるとし、次のように語りました。

（テープ） 

「コメに対する世界の需要は非常に高くなっており、ベトナムのコメの輸出に大きな弾みをつけています。それにしても、ベトナムは輸出するコメの品質を確保するとともに、ベトナムのコメのブランドづくりに力を入れなければなりません」

農業農村開発省は、今年、ベトナムのコメの輸出量は750万トンを超える見込みです。輸出市場を拡大しながら、コメの品質向上とブランドづくりに注力する方針です。