新型コロナウイルスの分離と培養に成功した科学者たち

中央伝染病衛生研究所の科学者たちは、長崎大学に提供されたベロ細胞を利用してコロナウイルスの分離を行いました。中央伝染病衛生研究所は、バイオセフティーレベル３に達しており、ベトナムでウイルスの分離・培養を行なえる唯一の研究所です。

同研究所の科学者は、コロナウイルスをベロ細胞に感染させましたが、７２時間後、コロナウイルスがベロ細胞にいることを確認しました。同研究所のウイルス部副部長グエン・レ・カイン・ハン博士は次のように語りました。

（テープ）

「７２時間後、ウイルスの濃度がかなり増えました。顕微鏡でウイルスの姿を明らかに確認することができました。その濃度と姿を明らかにしたことはウイルスの分離が成功したことを意味します。」

一方、中央伝染病衛生研究所インフルエンザセンターのウン・ティ・ホン・チャンさんは次のように語りました。

（テープ）

「新型コロナウイルスは危険なウイルスですから、WHO世界保健機関が出している警戒レベルより高いバイオセフティーレベルで実験を行いました。これは、実験者だけでなく、社会の安全を確保するためです。」

ウイルスの分離は、その病原性などの究明に役立ち、これにより、治療方法や治療薬の研究を促進するものです。