オラフル・ラグナル・グリムソン大統領=TTXVN
ベトナムのチュオン・タン・サン国家主席の招きに応え、4日、アイスランドのオラフル・ラグナル・グリムソン大統領夫妻は6日までのベトナムの国賓訪問を開始しました。この訪問は、二国関係の重要な節目であると期待されています。
アイスランドは北ヨーロッパの北大西洋上に位置する島国であり、一人当たり所得は世界高所得国の仲間入りで年平均5万1千ドルを超えています。経済成長が長年にわたって世界トップに達したことで、欧州地域における低所得国から工業発展国となってきました。ベトナムとアイスランドは経済、貿易、投資などの分野における協力の潜在力に恵まれています。
二国関係の良好な発展
ベトナムとアイスランドは1973年に外交関係を樹立しました。それ以来、両国の良好な友好関係は維持されています。両国の指導者らによる相互訪問が相次いでいます。
両国は二重課税防止協定、投資奨励保護協定、航空輸送協定に調印しました。しかし、これまでに、ベトナムとアイスランドとの貿易取引関係は低い水準に留まっています。ベトナムはアイスランドに主に木工製品、繊維製品、青果を輸出する一方、アイスランドから水産物、及び機械を輸入しています。2014年の二国間の貿易取引額は600万ドル、今年上半期に900万ドルしか達していません。そこで、それぞれの国の潜在力により両国の経済・貿易協力は更に発展してゆくことでしょう。
開発協力分野では、ベトナムはアイスランドの開発援助授与9カ国の一つとなっています。2005年に、アイスランドはベトナムに350万ユーロ相当のODA=政府開発援助を行ないました。アイスランドの対ベトナムへのODA援助額は毎年増加しており、貧困解消、医療、民間経済セクタ開発、行政改革、気候変動対応などベトナムの優先的な分野に集中しています。
国防関係では、ベトナムとアイスランドは戦争後の地雷と不発弾の被害克服作業、枯葉剤後遺症、救難などにおいて協力しています。
協力に恵まれた複数の潜在力
ベトナムはアイスランドを含む欧州自由貿易連合加盟諸国と共に、自由貿易協定の交渉を進んでおり、今年中にこの交渉を妥結させるように取り組んでいます。現在、アイスランドはベトナムとの水産物協力計画を採択しました。これに基き、アイスランドは同国にある国連の水産物学校にベトナム人幹部を受け入れるほか、ベトナム人専門家の育成コースなどを開催することになっています。
その一方で、アイスランドに在住しているベトナム人共同体はおよそ1000人にのぼり、安定した生活を送っています。彼らは、現地の行政当局と住民との良好な関係を築いており、ベトナムとアイスランドとの協力関係の強化に寄与する重要な架け橋となっています。
これらの良好な関係の基で、オラフル・ラグナル・グリムソン大統領による今回のベトナム訪問は、両国の強みと潜在力の活用に繋がっており、ベトナムと欧州自由貿易協定交渉の早期妥結に寄与すると同時に、共に関心を持っている地域と国際問題を討議する良いチャンスであると見られています。