ベトナムとインドとの戦略的パートナー関係の強化に向けて
チュオン・タン・サン国家主席の招きに応え、インドのプラナブ・クマール・ムカルジー大統領は14日から17日までの日程でベトナムを訪問しています。この訪問は両国の友好と戦略的パートナー関係を強化すると期待されています。
20世紀の初頭、故ホーチミン主席とインドのジャワハルラール・ネルー首相により、ベトナムとインドとの友好関係が結ばれましたが、両国の各世代の指導者と国民により培われてきました。2007年7月、グエン・タン・ズン首相によるインド訪問を機に、両国は戦略的パートナー関係の設立に関する共同声明に調印しました。
また、2011年、チュオン・タン・サン国家主席のインド訪問にあたり、7件の協力合意書が締結され、戦略的パートナー関係を具体化しました。これに続き、2012年4月、グエン・ティエン・ニャン副首相のインド訪問を機に、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、情報技術の研究、適用や海洋学、気候変動に関する9件の協力合意書が締結されました。
そして、2013年11月、グエン・フ・チョン共産党書記長によるインド訪問に際し、共同声明が発表され、8件の協力合意書が締結されています。他方、高級代表団による相互訪問の傍ら、科学技術・文化、教育に関するベトナム・インド政府合同委員会の会合や両外務省間の政治討論会と戦略対話なども促進されてきました。
多面的協力関係の強化
ベトナムとインドは互いの国を重要な貿易相手国と見なしています。2013年、両国の商取引額は52億3千万ドルに達し、2012年と比べ32%増となりました。この数字を2015年、70億ドル、2020年には150億ドルにするという目標が掲げられています。ベトナムはインドに電話機と各種部品、機械を輸出していますが、インドからトウモロコシ、家畜の餌、医薬品などを輸入しています。
近いうちに、インドのタタ・グループが南部ソクチャン省での18億ドル相当の第2ロンフー火力発電所建設プロジェクトを行うことで両国の投資関係が迅速に発展すると予測されています。これまで、インドはベトナムに2億7300万ドル相当の73件の投資プロジェクトを行っています。また、この3年間、インドはベトナムに1950万ドル相当の優遇借款を供与してきました。現在、双方は対ベトナム1億ドルの借款供与に関し協議を行っています。
一方、1988年から、両国は石油ガス開発で効果的に協力しています。2011年のチュオン・タン・サン国家主席によるインド訪問を機に双方は石油ガス探査試掘での協力を強化することで合意しました。また、科学研究、農業技術、渡航、引渡しなどの分野に関する複数の協定や合意書が締結されました。
長年にわたり、インドは情報技術、経済、法律、英語に関し、ベトナムのハイテクの人材育成を積極的に支援し、150人分の短・長期奨学金を支給してきました。さらに、インドはダナン市と国防学院で英語教育センターを設置しましたが、今年中、ハノイでのインド文化センターの開設を予定しています。他方、2012年のベトナム・インド友好年にあたり、両国で様々な文化、芸術活動が披露される一方、2013年、ベトナムでインドフェスティバルが開催され、飲食会や文芸交流会などが活発に行われました。
今回のムカルジー大統領によるベトナム訪問にあたり、双方はこれまで行われた高級レベルの訪問で収めてきた成果を点検すると同時に、様々な文書を締結する予定です。また、この訪問は両国の友好と戦略的パートナー関係を新たな発展段階に押し上げるでしょう。