すでにお伝えしましたように、インドのマンモハン・シン首相の招きに応え、グエン・フー・チョン共産党書記長は19日、国賓としてのインド訪問を開始しました。この訪問はベトナムがインドとの関係を重視していることを示し、また、両国の戦略的パートナー関係の深化を目指しています。
1972年1月7日、ベトナムとインドは外交関係を樹立しました。また、2003年、双方は国交を全面的パートナーシップに格上げしました。そして、2007年、グエン・タン・ズン首相によるインド公式訪問にあたり、ベトナムとインドの戦略的パートナー関係づくりに関する宣言が発表されました。
これは両国関係が最盛期に入ることを示したとみられます。ベトナム政府と国民はインドとの伝統的な友好と全面的かつ戦略的パートナー関係を優先的に発展させています。
一方、インド政府はベトナムを自国の東方政策の柱の一つとして見なしていると強調しました。また、インドの各政党はベトナムとの友好協力関係の発展に取り組む姿勢を示しました。
現在のベトナムとインドの関係に関して、両国の指導者らと各省庁、地方、国民はいずれも「これは特別な関係で、政治、経済面での利益を目指すものだけではなく、従来から培われた友情でもある」との認識を示しました。
在インドベトナム大使館の元大使で、ベトナム・インド友好協会のブ・クアン・ジエム副会長は次のように語りました。
(テープ) Diem
「ベトナムとインドの関係は良好に発展しており、何の問題もありません。両国は全ての分野で協力することができます。この数年、両国関係は迅速に発展し、複数の協力メカニズムが設立されました。グエン・フー・チョン書記長による今回のインド訪問をきっかけに両国関係が新たな発展段階に押し上げられると確信します」
現在、ベトナムとインドの戦略的パートナー関係は政治、国防・安全保障、経済・貿易、文化、人材育成といった5つの柱により発展しています。経済・貿易・投資に関して、インドはベトナムの市場経済を認めました。
2012年、世界経済の停滞にもかかわらず、両国の商取引額はおよそ40億ドルに達しました。両国は2015年をめどにこの金額を70億ドルに引き上げるという目標を設定しました。国防・安全保障に関しては両国は訪問団や情報の交換、人材育成などを進めており、2003年以来、8回にわたり、国防次官級戦略対話を開催してきました。
また、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、情報技術などの研究、適用でも協力を強化してきました。こうした背景の中で、チョン書記長のインド訪問は重要な意義を持つとみられます。
訪問を前に、在ベトナムインド大使館のプレティ・サラン大使は次のように語りました。
(テープ) Preeti
「この訪問はベトナムとインドとの関係に新たな発展の一歩となると思います。チョン氏によるインド訪問は今回が2回目です。前回は国会議長としての訪問でした。共産党書記長としての訪問は今回が初めてです。これは両国の政治関係が新たな発展段階に入ったことを示します。今回の訪問は両国関係の一層強化に寄与すると確信します。私たちはこの訪問に期待をかけています。」
チョン書記長によるインド訪問はベトナムの党と国家の外交活動の促進を目指すと同時に、ベトナムとインドの各政党、議会、国民間の協力の拡大、両国の戦略的パートナー関係の強化に寄与することでしょう。