27日、チュオン・タン・サン国家主席はインドネシアのスシロ・バンバンユドヨノ大統領の招きに応じて、国賓としてインドネシア訪問を開始しました。この訪問は両国関係を戦略的パートナーシップに格上げすることで、両国間の国交の約60年の道のりにおける重要な節目となると評されています。
ベトナムとインドネシアは1955年に外交関係を樹立しました。それ以降、ホーチミン主席とスカルノ大統領の密接な関係により、両国間の政治関係は大きく発展しました。両国は常に訪問団の交換を維持しています。中でも、2010年に行われたユドヨノ大統領の国賓としてのベトナム訪問や2011年のグエン・タン・ズン首相のインドネシア訪問などがあります。
インドネシアはベトナムを優先的に関係を発展させるべきの全面的かつ戦略的な相手国14カ国の中の1つと見なしています。両国は戦略的パートナーシップ構築のために様々な活動を進めています。
これに関し、ファム・ビン・ミン外相は次のように語りました。
(テープ)
「現在の両国関係の発展度から見れば、その関係を戦略的パートナーシップに格上げするための基礎が十分あるといえます。これは重要な意義を持つことです。現在、ベトナムは複数の国との戦略的パートナーシップを締結しました。地域と世界において高い地位を持つインドネシアとの戦略的パートナーシップ作りは両国だけでなく、地域の平和、安定、発展などに対しても有益です」
現在、両国間の協力活動は頻繁に行われています。両国は2012~2015年期の共同行動計画に調印したほか、外相級協力委員会を設立し、2012年7月に第1回会合を開催しました。また、経済・科学技術協力合同委員会も6回にわたり会合を行い、協力強化に寄与しています。
近年、両国間の経済関係は大きく発展しています。両国間の貿易額は2010年に33億ドルに達しましたが、2011年に46億ドルに、そして、2012年に46億500万ドルに増加しました。両国は2015年をめどに同額を50億ドルにする目標を設定しています。
国防・安全保障分野での協力も大きく発展しています。2010年10月に両国は国防協力覚書を締結したほか、海上共同巡査や、海軍情報交換チャンネルの設定、刑事司法共助協定と犯罪者引渡協定の締結などへ向けて、準備作業を進めています。
教育訓練や、農業、文化などの分野での協力も重視されています。教育協力に関しては、毎年、インドネシア政府はベトナム人大学生や研究者数百人に奨学金を支給しています。
ホーチミン市駐在インドネシア総領事館のバンバン・タルサント総領事は次のように明らかにしています。
(テープ)
「インドネシア政府の奨学金を受けるベトナム人学生の数は年々増えています。そのほか、慈善活動や献血活動も行われ、両国間の相互支援、団結の精神を示しています。又、文化やスポーツ分野での交流活動も活発で、両国国民間の相互理解の深化に寄与しています」
多国間関係においてもベトナムとインドネシアは常に互いに支援しています。ベトナム東部海域いわゆる南シナ海での紛争の解決プロセスはその相互支援を示す例の1つです。
こうした中、サン主席の今回のインドネシア訪問は「インドネシアとの友好協力関係を重視する」というベトナムの一貫した政策を再確認し、両国関係を新しい発展段階に押し上げるものになると期待されています。