10日、ベトナムのチョン・タン・サン国家主席率いる代表団は2日間にわたるカザフスタン国賓としての公式訪問を開始しました。カザフスタンのナザルバエフ大統領の招きに応じて行われるこの訪問はベトナムとカザフスタンとの伝統的友好関係を強化するためのものです。

中央アジアに位置するカザフスタンは1991年のソビエト連邦崩壊後、 カザフスタン共和国として独立し、同年にCIS独立国家共同体に加盟しました。その後、同国は市場経済への移行を進め、世界経済へ積極的に参入し、経済改革と民営化が急速に実施されてきました。この10年、カザフスタンのGDP国内総生産は3,5倍増、農産物の輸出額は3倍増となり、世界の穀物輸出大国のリストに入りました。2011年、カザフスタンのGDPの成長率は7,5%に達しました。カザフスタン政府は外国投資誘致を重視しています。2010年、同国への外国投資額は140億ドルにのぼりました。現在、カザフスタンは世界137の国と地域からの19000件の投資プロジェクトが実施されています。

ベトナムとカザフスタンは伝統的友好協力関係を結びました。両国は1992年6月29日に外交関係を樹立しました。それ以来、両国関係が絶え間なく発展してきました。これまで、両国は経済、貿易、教育、投資、労働、エネルギーなどの分野における枠組み協定を締結しました。経済貿易分野における協力関係は前向きな兆しを見せてきました。2011年には、両国間の取引総額は4900万ドルに達しました。昨年9月に行われた経済、貿易、科学技術に関する両国の政府合同委員会の第5回会議で、両国は2011年から2013年までのベトナム・カザフスタン共通行動計画に調印しました。特に、同年11月に行われたカザフスタンのナザルバエフ大統領によるベトナム訪問で、双方は共同声明を発表し、その中で、ベトナムとカザフスタンが両国関係の強化のためのビッグ・チャンスに恵まれていることを強調しました。両国はインフラ整備、鉱物開発、繊維製品と履物の生産などの分野における投資を誘致する意向を表明しました。
その他、ベトナムとカザフスタンは国連を始め、国際の場において、緊密に協力してきました。カザフスタンは、ベトナムが、2008年から2009年までの任期で国連安全保障理事会非常任理事国になることへの支持を表明しました。両国は互いに相手が市場経済国を認定しました。CICAアジア相互協力信頼醸成措置会議の創始者として、カザフスタンはベトナムがCICAへの加盟を積極的に援助ました。一方、ベトナムはカザフスタンがAPECアジア太平洋経済協力会議やARFアセアン地域フォーラム、WTO 世界貿易機関への加盟を支持しています。
チョン・タン・サン国家主席による今回のカザフスタン訪問はベトナムがカザフスタンとの多面的な協力関係を強化する意向を強調するとともに、両国間の外交関係樹立20周年を記念する活動の一環でもあります。