シンガポールのリー・シェンロン首相がグエン・タン・ズン首相の招きを受けて、9月11日から13日の日程でベトナムを公式訪問しています。両国が外交関係樹立40周年を記念するにあたって行われるこの訪問は、ベトナムとシンガポールとの関係に新しい展望を切り開くものとされています。

2010年に行われたリー・シェンロン首相と
グエン・タン・ズン首相との会合
ベトナムとシンガポールは1973年8月1日に外交関係を樹立しました。この40年間、両国関係は政治を始め、あらゆる分野において大きく発展してきまし た。両国首脳陣の相互訪問が頻繁に行われました。
ベトナム外務省のファム・クアン・ビン( Pham Quang Vinh)次官は次のように語りました。
(テープ)
「この40年間、ベトナムとシンガポールとの関係は著しい発展を遂げてきました。シンガポールは長年にわたり、ベトナムの最大の貿易相手国です。2012年末の時点で、両国間の貿易額は96億ドルにのぼりました。投資分野に関して、今年7月現在、シンガポールはベトナムで総額240億ドル相当の1100件の投資プロジェクトを実施しています。また、両国は6つの分野における協力枠組み協定を締結しました。」
現在、ベトナムとシンガポールは20件の協力合意書や協定を締結しました。特に、VSIPベトナム・シンガポール工業団地は両国間の経済協力におけるモデルとなりました。当初、VSIPは南部ビンズオン省で建設されましたが、その後、北部港湾都市ハイフォン、バクニン省に建設され、今後は、南中部クアンガイ省、ホーチミン市、北部タイビン省にも建設される予定です。
その他、両国は教育、科学技術、国防、安全保障、気候変動、海面水位の上昇への対応などの分野における協力を強化しています。
シンガポールのリム・フン・キャン貿易産業大臣は次のように語りました。
(テープ)
「シンガポール企業はベトナムの長期的な潜在力を認識しており、ベトナムの経済発展事業に貢献することを望んでいます。そのため、シンガポールの多くの企業はベトナムへ投資活動を行い、成功を収めました。今後、両国間の協力関係が日増しに拡大することを望んでいます」
ベトナムとシンガポールは両国間の協力を強化するだけでなく、アセアン東南アジア諸国連合の枠内においても緊密に連携しています。
2011年9月に行われたベトナムのチュオン・タン・サン( Truong Tan Sang)国家主席によるシンガポール国賓としての訪問で、両国は両国関係を戦略的パートナー関係に格上げすることで原則的に合意しました。
そして、2012年9月に行われたグェン・フー・チュオン( Nguyen Phu Trong)書記長によるシンガポール訪問で、両国の首脳陣は共同コミュニケを発表し、今年中に両国関係を戦略的パートナー関係に格上げすることで一致しました。
シンガポールのリー・シェンロン首相による今回のベトナム訪問について、さきほどのファム・クアン・ビン( Pham Quang Vinh)次官は次のように語りました。
(テープ)
「両国間の政治関係が信頼にたるものとなってきましたが、今後、さらに強化される必要があります。また、両国は経済を始め、あらゆる分野における協力関係を促進するとともに、地域と国際場裏における協力も強化されなければなりません。」
リー・シェンロン首相による今回のベトナム訪問は両国関係に重要な節目を記すものとされることでしょう。