
石油ガス開発はベトナムとロシアの効果的な協力分野
ロシアのプーチン大統領の招きに応え、26日、ベトナムのチュオン・タン・サン国家主席率いる高級団表団はハノイを発ち、5日間のロシア公式訪問を開始しました。
これはサン主席が就任して以来、初めての欧州への訪問となります。
さて、1950年1月30日、ベトナムと旧ソ連が外交関係を設立しました。それ以来、ベトナムと旧ソ連、現在のロシアとの関係は多くの変動をものともせず、絶えず強化、発展しています。1994年6月、ベトナムとロシアは友好関係の基本的な原則に関する条約を締結しました。また、2001年3月、プーチン大統領によるベトナム訪問を機に、両国は戦略的パートナー関係を発展させることで一致しました。
2007年から、双方は戦略的パートナー関係の強化を目指し、優先課題リストの作成、実施に協力しています。両国の商取引額は年を追って、増加し、2011年に19億8千万ドルに達しました。また、今年上半期、この数字はおよそ10億ドルにのぼり、2011年同期と比べ、45%増となっています。これにより、両国の今年全体の商取引額は30億ドルに達すると見込まれています。また、両国は2013年の商取引額を50億ドルにするという目標を掲げています。今年、ベトナムは初めてロシア向けの輸出超過が図られました。先ごろ、ロシアはWTO世界貿易機関に加盟した際、公約した輸入税引き下げの対象となる多くの品目にはベトナムの主力の輸出品である農・水産物、繊維製品、革靴が入っています。これに基づき、向こう3,4年に、ロシア向けのベトナムの輸出品に適用される税率は現行の30%から50%引き下げられるようになります。こうした有利な条件により、今後、ベトナムとロシアの経済貿易関係は飛躍的な発展を遂げると期待されています。

ベトナムとロシアの元首による会談が行われる場所・ロシアのソチ市
現在、ベトナムはロシアが加盟しているロシア・ベラルーシ・カザフスタン3カ国税関連盟とFTA自由貿易協定に関する交渉を進めています。同協定締結の暁には、ベトナムの輸出品に課される税率は最低限に引き下げられ、あるいは免税されることになります。これはベトナムにとって、ロシア市場での競争力の向上やシェアの増加のチャンスとなります。在ベトナムロシア大使館のアンドレイ・コブツン大使は次のように語りました。(テープ)
「ロシアとベトナムは数多くの協力合意書を締結しました。2012年、双方はこれらの合意書の実施に取り組んでいます。これまで、私たちはベトナムで初めてとなる原子力発電所建設プロジェクトを成功させましたが、今後も、このプロジェクトを促進します。また、両国はロシア・ベラルーシ・カザフスタン3カ国税関連盟間の自由貿易協定に関連する文書について協議しています。今年、ロシアがAPECアジア太平洋経済協力会議の議長国を務めていることで、ベトナムとロシア、及び連盟加盟国の協力はベトナムとロシアの貿易手続きの簡素化に寄与すると思います。」
コブツン大使はこのように語りました。
去る5月、モスクワで、ハノイ・モスクワセンターの建設が着工され、1013年5月の完成が予定されています。これは両国、中でも首都間の友好協力関係の強化に寄与すると同時に両国の企業の架け橋としての役割を果たすとしています。
人材協力も両国の有望な協力分野となっています。今年、ロシアはベトナムに対し、およそ500人分の大学と大学院の奨学金を支給しました。現在、ロシアに留学しているベトナム人学生はおよそ5千人にのぼっています。他方、文化交流やそれぞれの国のピーアールが頻繁に行われています。ベトナムはロシア人にとって魅力的な目的地となっています。旅行会社AMITOR社のモスクワ事務所のグエン・ティ・マイ代表は次のように語りました。(テープ)
「この間、ベトナムはロシア人観光客にとって魅力的な観光スポットとなっています。我が社のような旅行会社はベトナムのピーアールに力を入れています。見本市や展示会などを通じて、ベトナムのことへの理解を深め、ベトナムを訪れる観光客が増えるよう望んでいます。」
マイ代表はこのように語りました。
なお、今回の訪問で、一連の協力合意書が締結され、共に関心を寄せている問題についての討議が行われます。サン主席によるロシア訪問はロシアとの伝統的な友好関係を重視し、両国の戦略的パートナー関係を発展させるというベトナムの一貫した政策を立証するものとしています。