ベトナム時間の7月31日午前、ベトナムのチュオン・タン・サン国家主席率いる高級代表団はロシア公式訪問を終え、帰国の途に着きました。この訪問は両国の全面的かつ戦略的パートナー関係における重要な節目とみられています。

この数十年間、ベトナムとロシアは着実で信頼にたるパートナーとして協力関係を強化しています。また、地域と世界の客観的情勢は両国間の協力促進に有利な条件を作り出しました。ですから、サン主席による今回の訪問は両国関係に新たな発展段階を切り開いたものとみられます。

サン主席とプーチン大統領による会談はロシア南部の避暑地ソチで開催されました。これは両国関係の歴史において、かつてない出来事で、サン主席に対するプーチン大統領の信頼と厚情を示したものと評されています。また、ベトナムをインド並にアジア太平洋における重要なパートナーとして位置づけるというプーチン大統領が先ごろ署名したロシアの新対外政策に合致したものです。

サン主席との会談後、プーチン大統領は次のように語りました。

（テープ）

「ロシアとベトナムの関係は昔から培われ、両国国民がお互いに暖かいお気持ちを寄せています。これにより、私たちは今日のような関係を築くことができました。現在、この関係はあらゆる分野で発展しています。昨年、両国の商取引額は30億ドルを超えました。私たちは複数の大規模なプロジェクトを進めています。」

プーチン大統領はこのように語りました。

他方、サン主席は、ベトナム・ロシア企業フォーラムに出席した際、「両国の経済貿易関係を良好な政治関係並に発展させるため、適切な措置を取る必要がある」と強調しました。また、「ベトナムはロシアの投資家を歓迎している」と述べ、次のように語りました。

（テープ）

「ベトナム政府は常に貿易、石油ガス、エネルギー、鉱産物開発、科学技術、教育養成、観光などを中心にベトナムと協力しているロシアの投資家、企業経営者を重視し、有利な条件を作り出しています。また、ロシアの各企業と経済グループが事業活動と経済協力の拡大に際し、ベトナムを戦略的投資先に選ぶようにあらゆる手を尽くします」

サン主席はこのように語りました。

訪問を機に、ベトナム・ロシア共同声明をはじめ、7件の文書が調印されました。これらに基づき、それぞれの分野に関する具体的な目標が設定されました。そのうち、2015年までに、両国の商取引額を50億ドルにすること、ベトナム初の原子力発電所を建設すること、ハノイでベトナム・ロシア技術大学を設立すること、ベトナム軍人を育成することなどが含まれています。また、双方は国際法と1982年の国連海洋法条約に従って、ベトナムの大陸棚における石油ガスの探査、開発を継続することでも一致しました。

国際問題に関してはベトナムとロシアは共通の立場を持っています。両国の首脳はアジア太平洋地域における平等で開放的かつ公開的な安全保障協力メカニズムを設立することを支持すると同時に、同地域でのあらゆる紛争を平和的措置で解決し、武力を行使してはいけないとの共通の見解を示しました。更に、DOC＝南シナ海行動宣言の確実な実施と拘束力のあるCOC＝南シナ海行動規範の早期作成への支持も表明しました。

サン主席による今回のロシア公式訪問は重要な政治的出来事で、両国の全面的かつ戦略的なパートナー関係の発展に寄与することは間違いないでしょう。