ベトナムとロシアの全面的協力と戦略的パートナー関係
チュオン・タン・サン国家主席の招きに応え、ロシアのプーチン大統領は12日、ベトナム訪問を開始しました。プーチン氏が大統領としてベトナムを訪問するのは今回が2回目です。この訪問は両国の政治的信頼を示すだけでなく、両国の全面的協力と戦略的パートナー関係の深化に貢献するとしています。
ベトナムとロシア国民はかつてのベトナム・旧ソ連、現在のベトナム・ロシアの団結と協力関係を重視しています。両国の指導者は互いに優遇しあっています。ロシアは東方政策を実施し、アジア太平洋地域での地位向上に尽力を尽くし、ベトナムの役割を高く評価しています。一方、ベトナムは解放的で、多方面、全方位という外交政策を実施しながら、ロシアとの友好と全面的な協力関係の強化に力を入れています。
2001年3月、双方は戦略的パートナー関係を結び、また、2012年、全面的かつ戦略的パートナー関係に格上げして以来、両国関係は新たな発展段階に入り、経済、貿易、投資、国防・安全保障を中心にあらゆる分野でダイナミックな発展を遂げてきました。
しかし、この関係は両国の強みと潜在力に見合っていないと評されています。ロシアのWTO=世界貿易機関への加盟やベトナム、及びロシア・ベラルーシ・カザフスタン関税同盟の自由貿易協定の交渉が進められている現在、両国関係は大きなチャンスを迎えています。在ロシアベトナム企業協会のチャン・ダン・チュン会長は次のように語りました。
(テープ) Chung
「ロシアがWTOに加盟してから、ロシア向けのベトナム輸出は順調になると思います。また、ロシアで事業を行っているベトナム企業各社は代理店としてベトナム商品の出荷することができます。」
一方、ベトナムとロシアはロシア・ベラルーシ・カザフスタン関税同盟との自由貿易協定を締結することで、商取引と輸出から得られる利益を増やすと期待されています。在ロシアベトナム大使館のファム・クァン・ニエム貿易参事官は次のように述べています。
(テープ) Niem
「第1、ベトナムと関税同盟との経済、貿易、投資分野での飛躍的発展に突破口を作り出すこと。第2、ベトナムは関税同盟から先進的科学技術を吸収し、経済発展に活用すること。第3、サービス業、観光を発展させた上で、雇用創出を促進させ、投資の強化を図ることです。」
これまで、ベトナムと関税同盟は3回にわたり、自由貿易協定の交渉を行ってきました。今回、プーチン大統領はベトナム訪問に際し、ベトナムの指導者らと国防、エネルギー、教育分野での協力のほか、この協定について協議する計画があります。
訪問を前に、両国世論はプーチン大統領の今回のベトナム訪問は両国関係を新たな発展段階に押し上げるであろうとの見解を示しました。在ロシアベトナム人協会会長で、マレベン・グループのド・スアン・ホアン社長は次のように語りました。
(テープ) Hoang
「両国関係は長い歳月を経て、着実に発展してきました。プーチン氏による今回のベトナム訪問は両国の経済協力を緊密化させると思います。また、この訪問は両国がそれぞれの国民と企業に利益をもたらすため、関係の強化、発展に力を入れる決意を示します。」
なお、今回のプーチン大統領によるベトナム訪問は、両国の従来からの友好関係と戦略的協力パートナー関係の促進に寄与してゆくことでしょう。