ベトナム、オーストラリアやニュージーランドとの関係強化
既にお伝えしましたように、16日、グエン・タン・ズン首相はオーストラリアのトニー・アボット首相とニュージーランドのジョン・キー首相の招きに応え、2カ国への公式訪問に臨みました。この訪問はベトナムと2カ国との全面的パートナー関係の強化に重要な意義があり、今後における関係の深化・拡大の方向を定めるものとなります。
オセアニアに位置するオーストラリアとニュージーランドはいずれも新しい対外政策を実施しており、その中で、同盟国との関係を重視し、多国間フォーラムでの役割を高めると同時にASEANとの連携を強化するとしています。ベトナムは2009年、2カ国との全面的パートナー関係を構築し、これらの関係の強化に取り組んできました。
ASEANにおけるオーストラリアの重要なパートナー ベトナム
ベトナムはダイナミックな発展を遂げている一方、オーストラリアはアジア太平洋地域の平和、協力、発展の強化に重要な役割を果たしています。それで、両国は二国間関係だけでなく、地域の安全保障、協力、発展に関しても共通の利益と関心事を持っています。
2012年、発表された「アジアの世紀におけるオーストラリア」白書で、同国はベトナムを始め、東南アジア諸国との外交関係の強化という方針を打ち出しました。オーストラリアはASEAN加盟諸国の中で、インドネシアとの戦略的パートナー関係に続き、ベトナムだけと全面的パートナー関係を構築しています。両国の政治面での信頼関係が絶え間なく強化され、高級レベルの相互訪問や対話が頻繁に行なわれています。オーストラリアはベトナムの貿易相手国上位10カ国と投資国上位20カ国のリストに入っています。両国の商取引額は1990年の3200万ドルから2014年に60億ドルを超えました。また、両国はASEAN・オーストラリア・ニュージーランドの自由貿易協定を締結した他、TPP=環太平洋経済連携協定とRCEP=東アジア地域包括的経済連携協定の交渉に参加しています。一方、これまで、オーストラリアはベトナム人学生に対し、4千人分の奨学金を支給してきた他、およそ3万人の留学生を受け入れています。ベトナムを訪れるオーストラリア人観光客の数は最多10カ国の中に入り、2014年は延べ32万人を超えています。
オーストラリアは常にベトナムを東南アジア地域における重要なパートナーと見做しており、ベトナムの東部海域(南シナ海)の平和、安全保障、航行の自由の確保を求める声を上げ、紛争を国際法、中でも1982年国連海洋法条約に従って平和的に解決し、武力行使、または、武力による威嚇をせず、海上行動規範を早期に完成する必要があるとの見解を示しました。
ニュージーランドとの全面的関係の強化
オーストラリア訪問後、19日と20日の両日、ズン首相はニュージーランド公式訪問を行ないます。この訪問は7月1日の両国の国交樹立40周年記念日に控え、行なわれるものです。2009年、両国の全面的パートナー関係が築かれて以来、順調に発展しています。両国は具体的な行動計画や協力プロジェクトの実施に取り組んできました。その結果、双方の商取引額は連続して増加し、2014年はおよそ8億ドルに達しました。ベトナムはニュージーランドの貿易相手国の中で20位に立っている一方、ニュージーランドはベトナムにおよそ8200万ドル相当の投資プロジェクト25件を行ない、教育・訓練、工業、加工、製造、金融・銀行、保険、農・林・水産物分野に集中しています。
今回のニュージーランド訪問を機に、ズン首相は同国の指導者らと会談、会見を行い、あらゆる分野での協力関係の強化措置や、TPP交渉の促進について話し合う予定です。
今年のズン首相の初外遊となるオーストラリアとニュージーランドの公式訪問はベトナムと2カ国間の政治的信頼の強化に寄与し、全面的パートナー関係を新たな発展段階に押し上げるでしょう。