既にお伝えしましたように、グエン・スアン・フック首相率いるベトナム代表は、4日と5日の両日上海で開催された第1回中国国際輸入博覧会への参加を成功裏に終え、帰国しました。これは、ベトナムと中国の貿易関係に弾みをつけると期待されています。

中国の大手企業との会合で発表しているフック首相

重要な合意を達成

中国国際輸入博覧会の開催期間中、フック首相は、中国の習近平総書記兼国家主席と会見したほか、中国の政府と地方の高官と会合を行い、両国の経済関係を発展させる措置などについて話し合いました。また、フック首相は、虹橋国際経済・貿易フォーラム、及び、ベトナムの杭州貿易振興事務所の開設式に出席したほか、中国の大手企業の代表と懇談しました。

中国側との会見・会合で、双方は多くの経済協力合意を達成しました。中でも、習国家主席は、フック首相の提案に同意し、ベトナムの対中輸入超過の削減、ベトナム産の農産物を始め、ベトナム商品の中国への輸出強化を目指す政策や措置を展開してゆくと強調しました。

また、上海の応勇市長は、上海で行われる見本市に参加予定のベトナム企業に便宜を図ると共に、ベトナム商品の輸入を促進させると明らかにしました。

一方、中国企業の多くは、ベトナムの投資環境の改善を歓迎し、ハイテクテクノロジーや環境にやさしい分野を始め、ベトナムへの投資を強化したいという意向を示しました。中国輸入博覧会の枠内で、ベトナムと中国の企業は、多くの契約書を締結しました。

明るい展望

現在、中国は世界第2の経済大国であり、ベトナムにとって最大の貿易相手国です。2017年、両国の貿易総額はベトナムの輸出入総額の4分の1にあたる940億ドルにのぼっており、前年と比べ、30.2％増となっています。また、中国はベトナムの農・林・水産物にとって最大の輸出先でもあります。今年初めからの9ヶ月間、中国へのベトナムの農・林・水産物の輸出額は300億ドルに達し、前年同期と比べ10％増となっています。中国へのベトナムの輸出は、燃料や鉱産物から、工業製品や農・林・水産物へと変わっています。

こうした背景の中で行われたグエン・スアン・フック首相による今回の中国への旅は両国の貿易関係の更なる促進に弾みをつけると期待されます。