(VOVWORLD) - 中国の習近平党総書記兼国家主席の招きに応え、30日、グエン・フー・チョン党書記長率いる代表団は中国公式訪問を開始しました。この訪問は重要な意義があり、両国関係の深化に貢献するとしています。
チョン書記長による中国訪問は中国共産党第20回大会が閉幕した直後に、行われ、中国との関係を対外政策における優先課題とし、両国の高級指導者の共通認識に従ってこの関係を長期的、安定的、実質的に発展させるというベトナムの終始一貫したスタンスを再確認し、両国の包括的な戦略的パートナーシップに新たな発展段階を切り開くとしています。
ベトナム・中国関係 安定的かつ積極的に発展
両国の共通努力により、これまで、ベトナム・中国の包括的な戦略的パートナーシップが安定的かつ積極的に発展し、あらゆる分野で重要な成果を収めています。政治分野での高級指導者の交流が様々な形で頻繁に行われ、両国の党と国家の政治的信頼の強化に貢献してきました。ベトナムの第13回党大会後、両国の党、国家、政府、国会の指導者は相次いで電話会談やテレビ会合などを行い、両国の友好と互恵協力関係の健全で安定的な発展を促進するための重要な方針を定めました。また、両国の外交、国防、公安部門、国境地帯の各地方の協力や草の根交流が維持されています。7月には、第14回ベトナム・中国共同協力委員会が成功裏に行われました。
サオ・マイ大使 |
一方、経済分野での協力も安定的な発展を遂げています。在中国ベトナム大使館のファム・サオ・マイ大使は次のように語りました。
(テープ)
「中国はベトナムにとって最大の貿易相手国であり、2番目の輸出市場です。また、ベトナムは中国にとって、ASEANの中で最大、世界で6番目の貿易相手国です。中国向けのベトナムの果物の輸出は順調に行われ、その中でドリアンは今年7 月から正式に中国に輸出される 10 番目の果物となります」
投資に関して、中国はベトナムに投資を行っている139の国と地域の中で第6位に立っており、年初からの9か月間に97の国と地域の中で第4位に立っています。新型コロナウイルス感染症が大流行していた時期に中国はベトナムに大量のワクチンを供与し、ベトナムの感染症対策に大いに役立ちました。
国境問題に関し、両国はベトナム・中国の陸上国境に関する法的文書の実施で緊密に協力し、不一致点の解決や国際法、中でも1982年国連海洋法条約に従って平和、安定の維持で共通認識を達成しました。また、DOC=海上行動宣言を完全履行し、COC=海上行動規範の作成に関する交渉を促進しています。
さらに、両国は多国間フォーラムで積極的に連携し、地域と世界の平和、安定、協力、ASEANの中核的な役割の発揮、国際法と国連憲章の順守の促進を目指します。
新型コロナ感染症により、ベトナムと中国の検問所で商品の通関が途絶えたことや直行便の運航が正常に戻っていないことなどの問題が浮上していますが、双方は率直な協議を通じて解決に取り組んでいます。
チョン書記長の訪問 特別な意義がある
両国関係が順調に発展している背景の中で行われるチョン書記長の中国訪問は特別な意義があります。先ほどの在中国ベトナム大使館のファム・サオ・マイ大使は次のように語りました。
(テープ)
「これは新型コロナウイルス感染症の発生以来、ベトナムの党と国家の高級指導者による中国への初めての訪問であり、ベトナムの第13回党大会後のチョン書記長の初の外遊でもあります。また、チョン書記長は中国共産党第20回大会後、中国を訪問する初めての外国の高級指導者となります。地域と国際情勢が予想できないほど複雑に推移し、世界の政治、経済にマイナス影響をおよぼしている中で、今回の訪問は両国関係の促進と深化、両国の党、国家の政治的信頼の強化に重要な役割を果たし、両国関係を新たな発展段階に押し上げるでしょう」
5年前に中国共産党第19回大会の閉幕後、習近平総書記は初の外遊先としてベトナムを選びました。これは党大会後の党、国家の高級指導者による交流を強化する方針を示し、両国関係の戦略的な意義を立証するものです。
チョン書記長の今回の訪問は両共産党の関係の拡大に寄与し、投資・貿易を中心に、あらゆる分野における協力を効率化するとともに、課題解決に役立ち、貿易促進が図られるとしています。両国の党、国家、国民の決意と共通努力により、ベトナム・中国の包括的な戦略的パートナーシップが新たな発展段階に押し上げられ、友好協力関係の強固な基盤が作り出されると期待されています。