9日から15日にかけて、ベトナムのチュオン・タン・サン国家主席は、タンザニア・モザンビーク・イラン3カ国への国賓訪問を行います。この訪問はこれらの3カ国とベトナムとの協力関係に新しいページを切り開くものと期待されています。
チュオン・タン・サン国家主席
タンザニア・モザンビークとの協力を強化
今回の訪問で最初の目的地は中央アフリカ東部にあるタンザニアです。タンザニアは、農業国ですが、アフリカで3番目の金生産国でもあります。ベトナムとタンザニアは1965年2月に外交関係を樹立し、良好な協力関係を維持しています。近年、両国の経済関係は発展の傾向を見せいています。2010年から2013年までの4年間、両国の貿易総額は1億ドル以上に達しましたが、2015年だけで、2億ドルを超えました。
投資分野においては、2015年10月、ベトナムの大手通信会社ベトテルはタンザニアで携帯電話サービスを開始しました。このプロジェクトの投資総額は7億ドルにのぼっています。農業分野においては、ベトナムは、農業関係の専門家や技術者をタンザニアに派遣し、農業発展を手伝っています。
タンザニアのあと、サン国家主席は、モザンビークを国賓として訪問します。アフリカ大陸南東部に位置するモザンビークは、綿、カシューナッツ、お茶、サトウキビ、落花などの産地としてよく知られています。
ベトナムとモザンビークは、1975年6月に外交関係を樹立しましたが、かつての民族解放事業でも良好な関係を持っていました。近年、両国の経済関係は著しい発展を見せています。2006年、貿易総額はわずか140万ドルでしたが、2015年はその5倍になりました。農業分野においては、両国は人材育成の協力や経験交換を頻繁に行っています。
イランとの関係を促進
最後の訪問地はイランです。中東地域の大国であるイランは、欧米と核合意を達成した後、経済制裁が解除されたことにより、高い経済成長を達成すると見込まれています。ベトナムとイランは1973年8月に外交関係を樹立しましたが、ハノイ駐在イラン大使館は1991年に、テヘラン駐在ベトナム大使館は1997年に開設されました。
これまで、両国政府は、政治協議を6回、合同委員会の会議を8回開いてきました。両国の指導者による相互訪問も頻繁に行われています。例えば、ベトナムの国家主席によるイラン訪問は2回、国会議長によるイラン訪問は1回、副首相によるイラン訪問は2回になりました。一方、イランの大統領と国会議長もベトナムを訪問しました。通商関係では、両国の貿易総額は2015年、1億ドル以上にのぼっており、増加の傾向を見せています。
ベトナムのチュオン・タン・サン国家主席による今回の3カ国歴訪はベトナムの全方位外交を展開すると共に、この3カ国との全面的な協力関係を促進させる措置を見出すためのものです。この訪問は、ベトナムとこの3カ国との関係を新しいページを切り開くことでしょう。