既にお伝えしましたように、19日午前、ホーチミン市で、外交学院とベトナム法律家協会は「ベトナム東部海域いわゆる南シナ海・地域の安全保障と発展のための協力」をテーマにした第4回国際シンポジウムを共催しました。27カ国・地域から学者、管理者、政府と国際組織の代表者、合わせて100人を含め、200人の代表が参加しました。これは、ベトナム東部海域が国際社会の特別な関心を引き続き集めていることを示すものといえます。
ベトナム東部海域に関する第1回シンポジウムが2009年に開催されましたが、これまで、世界各国の科学者、管理者などはこの海域での平和、安定、航行安全保障の確保、協力の促進などについて様々な意見や、構想、イニシアチブを提案してきました。
今回のシンポジウムでは国際法と国際関係の角度から見るベトナム東部海域の重要性や関係各国の利益、最近の動きに関する研究の結果が交換された上で、南シナ海問題 の解決に向けての協力の強化、紛争の予防と抑制に関する措置が提案されました。
参加者らは「南シナ海は世界で最も複雑な紛争が多発する地域の一つだ。この複雑さは関係諸国の内政や地域の経済、政治、軍事、安全保障分野での変化により 更に増している。島や海域の紛争のほか、非伝統的安全保障問題といった海賊、海洋環境汚染、気候変動などが深刻化している」と指摘した上で、「こうした事情を前に、様々な緊急措置を取る必要がある」としています。
これにより、ハノイ国家大学の研究者グエン・ホン・タオ(Nguyen Hong Thao)氏は次のような見方を示しています。
(テープ)
「ベトナム東部海域に関する問題は国際問題です。というのは、この海域がアジア太平洋地域の中央に位置し、その経済活動が非常に活発だからです。大昔から漁業活動が行われており、多くの国の国益に影響を与えています。近年、航行の自由や飛行の自由など新しい問題が浮上しています。このため、この海域の沿岸諸国だけでなく、他の国も利益があります。
タオ氏はこのように語りました。
一方、外交学院のダン・ディン・クイ(Dang Dinh Quy)院長は「4回にわたり行われたこのシンポジウムで出されてきた参加者らの意見や提案、イニシアチブがベトナム東部海域での紛争の本質や原因などの究明と緊張緩和、問題解決に寄与している」と評価し、次のように語りました。
(テープ)
「参加者らの意見と討論のテーマはベトナム東部海域での平和、安定、発展の維持に大きく寄与しています。これらの意見はベトナム東部海域に関する問題を国際問題にするものとなっています。ベトナム東部海域に関する問題が科学的に詳しく分析・評定しています。これは関係各国にとって重要なことです」
クイ院長はこのように語りました。
また、今回のシンポジウムで、参加者らは中国がCOC=ベトナム東部海域での行動規範の作成に積極的な姿勢を示していることを高く評価し、「これは紛争解決に積極的に寄与する」としています。
ベトナムにとっては、このシンポジウムはベトナムがこの海域に対する主権を証明する歴史的、法的証拠などを紹介する良いチャンスとみられています。ハノイ国家大学のグエン・バ・ジェン(Nguyen Ba Dien)博士は次のように語りました。
(テープ)
「これを通じて、ベトナム国民だけでなく、中国国民を含む各国の国民がベトナムの真理、正当さを理解できるようになると思います。我々は一歩一歩、自国の主権を証明する証拠を世界に伝える必要があります」
ジェン博士はこのように語りました。
ベトナム東部海域の平和、安定、協力、発展は国際社会の共通の目的です。近いうちに、この海域での紛争が徹底的に解決されると期待されています。