ベネズエラ大統領選

ベネズエラで4月2日から、チャベス前大統領の死去を受けて14日に行われる大統領選挙の公式選挙運動期間が始まりました。今回の選挙はマドゥロ暫定大統領と野党統一候補カプリレス氏の争いとみられています。

マドゥロ暫定大統領はチャベス氏の後継者で、そして、カプリレス氏はミランダ州の知事ですが、これまで、両候補は激しい選挙戦を展開してきました。両候補は2日から11日までの間、国内各地で集会を開き、支持を訴えていました。


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マドゥロ暫定大統領(写真:news.com.au)

与党候補は、貧困層に根強い人気があったチャベス氏の名前を1日200回近くも連呼し、「偉大な指導者だった」と有権者の感情に訴えています。野党側からは「チャベス氏の亡霊と戦っているようだ」との声もありました。

一方、カプリレス氏はマドゥロ氏が暫定大統領の立場を利用し、テレビに頻繁に登場して選挙運動を行ってきたと非難しました。また、経済や治安の悪化を指摘しながら、「われわれはみんなベネズエラ人だ」と国民の「団結」を強調し、「対決」を打ち出す与党を批判しました。さらに、カプリレス知事は「与党当局者らは国家の石油資産を略奪している」と指摘しています。

これを受け、マドゥロ暫定大統領が8日、汚職を撲滅すると言明しました。マドゥロ暫定大統領は、東部マトゥリンで行った選挙集会で「汚職をどこまでも追跡する。必要とあらば命を投げ打ってでも汚職と戦う。官僚主義や汚職、また人民の問題に目を向けようとしない一部の当局者の怠惰(たいだ)を克服することは大きな挑戦だ」と述べました。


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カプリレス知事(写真:Nhan dan)

こうした中、世論調査ではマドゥロ暫定大統領がカプリレス知事に支持率で二桁台のリードを見せています。

民間調査機関ダタナリシス(Datanalisis)の最新世論調査では、マドゥロ氏の支持率は50・2%、カプリレス氏は32・4%となっています。マドゥロ氏が49・2%、カプリレス氏が34・8%だったとのダタナリシスの前回の調査と比べると、マドゥロ氏がリードを広げているといえます。

今回のベネズエラ大統領選挙の投票は14日に行われますが、選挙の行方は、アメリカとの関係や、南米を中心とした国際関係をも左右するだけに、両候補の言動が注目されています。

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