ハノイで開催中のベトナム国会第10回会議では、今後の経済社会発展対策が主要議題になっています。グエン・タン・ズン首相は、国会で政府報告を発表し、2016-2020年期の経済社会発展計画について、成長モデルの刷新とつながる経済構造の転換、国民生活の改善、市場経済体制の完備、各経済セクターの平等の保障などを明らかにしました。
成長モデルの刷新とつながる経済構造の転換
国会議員らは、政府が出している経済構造転換草案に賛成する姿勢を示しています。この草案では、新農村づくりとつながる農業構造の転換、及び、ハイテクや付加価値の高い工業を目指す工業構造の転換が経済構造の転換の柱になるということです。又、公共投資の効果の向上、財政・金融システムの健全化、国営企業の再編成が重点的な任務とされています。
国会で発表している国会議員
政府は、経済構造の転換を促進し、2016-2020年期の経済成長率を6.5%から7%にするという目標を出しています。この目標は国会議員らの賛成をとりつけています。ホーチミン市選出のチャン・ホアン・ガン議員は次のように語りました。
(テープ)
「この3年、ベトナムは経済構造の転換を進めていると思います。中でも、公共投資の効果の向上、国営企業の再編成、特に、商業銀行の健全化といった課題は著しい成果を見せています。私たちは、インフレや為替レート、公共債務、国家予算の歳出、貿易収支などを抑制できるようなマクロ経済の安定を維持しなければなりません。これはベトナムの着実な発展につながっているからです。」
企業の競争力の向上
企業の競争力の向上は、国会が政府に委託した任務の一つです。国会議員らは、輸出市場の拡大を目指す外国との貿易協定の締結、投資環境の改善、企業の経営生産への便宜を図る政府の努力を高く評価しています。国会経済委員会の副委員長を務める南部ソクチャン省選出のグエン・ドゥック・キェン議員は次のように語りました。
(テープ)
「政府は8つの対策を出していますが、積極的かつ徹底的に実施しなければなりません。政府そのものは成長を作り出すわけではありません。つくるのは企業です。そのため、ベトナムの企業の競争力をさらに高める必要があります。」
一方、ホーチミン市選出のチャン・ズ・リック議員は民間経済セクターの役割を重視しなければならないと述べ、次のように語りました。
(テープ)
「中小企業は民間企業です。私たちは、民間経済セクターを経済の重要なセクターと見做していますから、中小企業の発展を国の戦略とした方がいいと思います。」
ベトナムがTPP環太平洋経済連携協定を始め、一連の国際貿易協定を締結している中で、多くの試練に直面しながらも、大きなチャンスを持っているという意見が国会議員らから出されました。そのため、これらの協定を最大限に活用してベトナム経済を一段と発展させるのがこれらの課題となることでしょう。