先頃、インドとパキスタンが核弾頭搭載可能なミサイルの発射実験を一斉に行なったことは、国際共同体の新たな懸念を引き起こしてしました。実際、南アジア地域における近隣2カ国がミサイルの発射実験を初めて行なうわけではないが、最近におけるその実施回数は増加しつつあるからです。
インド軍は19日、核弾頭搭載可能な中距離弾道ミサイル「アグニ4」の発射実験を行い、成功させたと伝えました。「アグニ4」の射程距離は約4000キロとなっています。発射実験は、ベンガル湾ウィーラー島の射場で移動式発射台から実施されました。また、これに先立つ8月末、インドは核弾頭搭載可能なインドの弾道ミサイル「プリトフヴィⅡ」の発射実験が、同国南東部オリッサ州バラソル演習場で成功しました。

パキスタンの実験成功したミサイル
一方、隣国パキスタンも9月17日に、核弾頭搭載可能な巡航ミサイル「ハトフ7」(射程700キロ)の発射実験に成功しました。
インドとパキスタンはいずれも、新たな軍拡競争の勃発を承認しないものの、それぞれの国が相次いでミサイルの発射実験を行なったことは、国際社会に南アジア地域で実施されている核武器開発競争に懸念させました。
実情、パキスタンとインドは南アジア地域における核大国となっています。両国はNPT核不拡散条約を未だ締結していません。両国が核武器の保有可能性を発表して以来の1998年に、核実験が相次いで行なわれてきました。この間、インドとパキスタンとの関係は前向きな兆しを見せており、建設的対話を行なったものの、双方の相互信頼が高まっていないと指摘されています。
こうした状況を前に、国連のパンギムン事務総長はインドとパキスタンに対し改善されつつある両国関係に有利な条件を作り出すため、地域での安全保障と平和に関する対話を継続する必要があると呼びかけました。現在、両国の関係は一定の成果を収めてきました。9月初頭に、パキスタンのアシュラフ首相は同国を訪問中のインドのクリシュナ外相と会見した際に、両国関係が改善され、双方が選んだ道を歩む」との確信を表明しました。席上、双方は、農業、教育、観光、科学技術、情報技術などを含む8つの協力分野で合意しました。
世論は、インドとパキスタン関係における前向きな兆しは南アジア地域における危険性の軽減に寄与すると期待されています。