メイ首相 EU離脱案なお困難

(VOVWORLD) - 投票の結果は、メイ首相が努力しているEUとの離脱交渉の追い風になるかどうかは不透明です。

13日、(EU)欧州連合は、ブリュッセルで首脳会議を開き、イギリスのEU離脱合意案のイギリス議会承認を実現するための援護策を協議する予定です。これに先立つ12日、イギリスの与党・保守党はイギリスの首相を務めているメイ党首に対する信任投票を行い、メイ党首の続投を決めました。しかし、投票の結果は、メイ首相が努力しているEUとの離脱交渉の追い風になるかどうかは不透明です。

メイ首相 EU離脱案なお困難 - ảnh 1 メイ英首相

国内反発は大きい

メイ首相は当初、11日の議会採決を予定していましたが、与党から大量の造反が見込まれたため先送りとなりました。その時点では保守党内の造反は90~100人程度とみられていました。今回の不信任票は当時の予測を20票ほど上回っており、党内の不満が想定より大きいことを示しました。

党内の不信任投票は今後一年間できず、メイ氏は目先の危機を乗り越えました。しかし、不信任票は三分の一を超え、EU離脱合意案で議会承認を得る難しさが改めて浮き彫りとなりました。

EU離脱促進 困難

メイ氏はブリュッセルで13日から開かれるEU首脳会議で、EU側から譲歩を引き出したい意向です。EU側から保守党内を納得させる具体策を得ることができなければ、来年1月21日までに行う予定の合意案の議会採決で、与党議員から多くの反対議員が出るのは確実な情勢です。

イギリス議会では、イギリス全土が離脱後もEUの経済的枠組みに残る可能性がある条項(バックストップ)を「属国状態」と問題視する声が強く、メイ氏はEUに協力を求め、合意案修正、追加などの打開策を探ると見られます。

しかし、EUに譲歩を促すメイ氏の働き掛けは、これまでのところ成功していません。11日にはオランダのルッテ首相、ドイツのメルケル首相、トゥスクEU大統領(常任議長)、EUの行政執行機関である欧州委員会のユンケル委員長と相次いで会談しましたが、彼らのメッセージは似通ったものです。すなわち、EUには保証を与える余地はありますが、離脱案の内容について再交渉に応じるつもりはなく、イギリスが求めるようにバックストップを暫定的とするつもりもないというものです。

そのため、経済に混乱を及ぼしかねない「合意なし離脱」を回避できるかは不透明なままです。

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