(VOVWORLD) - メコン・瀾滄協力枠組みが発足して以来、ベトナムは水資源の管理強化や、メコン川で発生した緊急事態に対応するためのホットラインの設置など多くを提案し、参加各国の支持を得ています。
既にお伝えしましたように、先ごろ、ミャンマーのバガンで第7回メコン・瀾滄協力外相会議が開催されました。カンボジア・ラオス・ミャンマー、タイ、中国、ベトナムの6ヵ国が参加するこの協力枠組みは参加各国の社会経済開発だけでなく、ASEAN東南アジア諸国連合の共同体づくりにも貢献しているとされています。
第7回メコン・瀾滄協力外相会議 |
メコン・瀾滄協力枠組みの効果向上
メコン・瀾滄協力枠組みは中国とメコン川委員会加盟5か国により、2016年に発足した新たな国際機構であり、6か国間の善隣友好関係の深化、社会経済開発の促進、地域各国間の発展格差の是正などを目指すものです。また、ASEANの一体化と南南協力の強化、持続可能な開発のための2030年アジェンダの実施に資することをも目的としています。
ミャンマーで開催された今回のメコン・瀾滄協力外相会議はこれまでの成果を発揮し、共同報道発表のほか、農業・自然災害予防対策・税関・通商といった4つの分野での協力強化に関する共同声明4件が発出されました。
これによりますと、メコン・瀾滄協力枠組みは、貿易結合、デジタル経済、サプライチェーンの確保、環境保護、気候変動対応、国民交流、医療などに集中して協力を拡大するとしています。また、地域と世界の情勢が複雑に推移する背景の中で、各国の外相らは、協同一致、平等、相互協議、互恵関係、国連憲章と国際法の順守などを原則に、参加各国の友好協力およびASEAN共同体づくりを進めるとともに、新型コロナ収束後の社会経済回復と開発を加速させることで一致しました。
実際、新型コロナ感染拡大の状況下においても、メコン・瀾滄協力枠組みにより、第2回メコン・瀾滄協力の水資源管理フォーラムや観光都市連盟シンポジウムなどのイベントが行われたほか、気象と自然災害に関する共同研究や、メコン・瀾滄基金の活用による多くのプロジェクトが展開されています。特に2021年、新型コロナの深刻な影響にもかかわらず、メコン川流域の諸国と中国との貿易総額は約4千億ドルにのぼり、2020年と比べ、23%増となりました。
ベトナム メコン・瀾滄協力枠組みに大きく貢献
メコン・瀾滄協力枠組みが発足して以来、ベトナムは水資源の管理強化や、メコン川で発生した緊急事態に対応するためのホットラインの設置など多くを提案し、参加各国の支持を得ています。
今回の会議で、ベトナムは4つの分野における協力を強化するよう提案しました。第1には商品とサービスの流通確保のために、税関協力を強化し貿易活動に便宜を図ること、第2は再生エネルギーとハイテク農業を開発すること、第3は水資源の管理を強化し、中でも2023年~2027年期のメコン・瀾滄協力枠組みの水資源共同計画の策定を加速させること、第4は観光業や地方間の協力、文化・スポーツ活動の開催を通じて国民交流を拡大することです。ベトナムのこれらの提案は参加各国から好評を得て、第7回メコン・瀾滄協力外相会議の共同報道発表と共同声明に盛り込まれました。