そのほか、双方は、ロシアのWTO世界貿易機関への加盟、および、気候変動との戦いに関する協定に調印しました。続いて、中東地域と北アフリカ状況など差し迫った国際問題や、ビザ免除の実施及びエネルギー分野での協力強化を含むロシアとEUとの関係などが協議されました。
会議に先立ち、世論はこの重要な会議の成功に疑惑を持っていました。それは先ず、EU諸国内には、現在のユーロ圏債務危機解決策を探る際に亀裂が出現していることです。このようの中、ロシアとEUとの関係は、順調に進んでいないという現状にあります。アメリカがポーランドとチェコへのMDミサイル防衛配備を行ったことは、ロシアの強い反発をもたらしてきました。ロシア側は、このことを戦略的不均衡状態をもたらす危機であると見做しています。ひいては、最近、ロシア連邦軍のニコライ・マカロフ参謀総長が、MDは依然としてロシアとEUとの関係における最も複雑な問題であると強調しました。
しかし、ロシアとEUとの第28回首脳会議における対立を無視し、地域での繁栄をもたらすという共通目標を向けた思想は、望ましい結果をもたらしました。会議後の記者会見で、ファンロンパイ欧州理事会常任議長は「共通措置の採択とビザ免除合意書の調整は双方の国民の渡航自由と交流活動の強化へ向けた重要な進展である」と強調しました。8年間にわたるビザ免除に関する新たな合意書は、ロシアと地中海諸国間の観光活動に有利な条件を作り出すものと期待されています。これにより、ロシアを訪れる観光客が急増することが予測されます。
一方、ロシア人実業家らも欧州諸国で協力チャンスを容易に探れるようになります。さらに、双方は、ロシアのWTOへの加盟に関する合意に達成しました。一方、記者会見で、ロシアのメドベー ジェフ大統領は、IMF国際通貨基金を通じてユーロ圏を支援する用意を表明しました。また、メドベージェフ大統領は「欧州しか欧州を支援することが出来ない」と強調しました。これに基づき、ロシアはIMF加盟国としての公約を順守し欧州経済とユーロ圏の復旧へ目指して、必要な金融支援の方策を考える用意があるとしています。
メドベージェフ大統領が支援の具体額は示さなかったものの、ロシア大統領府高官の発表によりますと、この金額は、200億ドルにのぼり、そのうちの100億ドルが向こう数週間以内に実施されることになるようです。それと同時に、双方は、国連安全保障理事会の行動支持、及びシリア問題におけるアラブ連盟の計画などの国際問題に関する幾つかの一致を見せました。
会議のこうした結果により、ロシアとEUとの関係は、暖かめられ、現在の対立解決に前向きな影響をもたらしています。しかし何よりも先ず、その良好な関係は、双方の国民に数多くの条件を作り出すことです。