
プーチン大統領の年次教書演説を行なった
12日、モスクワのクレムリンで、ロシアのプーチン大統領は政府幹部や上下両院の議員らを前に外交と内政における優先的な政策や方針を示す年次教書演説を行いました。
この教書演説は2012年5月の大統領復帰以来、2回目です。大都市の中間層を中心に官僚の汚職などへの不満が強いことを背景に「飾り物ではない社会の関与が必要 だ」と、立法や行政に市民目線を取り込む仕組みの導入を約束しました。国内で高まる移民規制強化の声に応え、入国審査や取り締まりの厳格化も主張しました。
経済分野では、「経済成長の鈍化の基本的原因は国内にある」と指摘し、幅広い経済対策を打ち出す方針を示しました。経済成長の促進策について、プーチン大統領はまず「資源分野以外の輸出支援が課題だ」と述べ、輸出の大半を占める石油ガスへの依存脱却を急ぐ考えを示しました。
具体的には2014年3月1日までに新たな輸出支援への行動計画を作成するよう指示しました。特に手続きの簡略化を盛り込むよう求めました。
また、軍事分野ではアメリカが世界で進めるMDミサイル防衛計画に関し「これまでの核戦略に関する合意をなくしかねない」と批判しました。核兵器を運搬するミサイルや潜水艦、航空機の強化を急ぐ方針を明らかにしました。
外交分野では、中東の各地で起きた政変や、シリアの内戦に言及し、「ほかの国に対してより進んだ発展のモデルをもたらそうとして、逆に流血の事態を招いたケースが見られた」と述べて、暗に欧米を批判しました。
隣国ウクライナの最近の政情不安については、「誰かに何かを強要したことはない」と述べました。「ウクライナ側にまだ関税同盟参加の用意があるならば、引き続き専門家レベルで協力する。同盟での立場は対等だ」と語りました。
プーチン大統領の今年の年次教書演説は全面的であり、注目すべき点があると評価されています。