(VOVWORLD) - シリア内戦の終結への道のりは簡単なものではないと見られています。
シリア内戦の終結に向けて、ロシアが主導する和平協議が29日からロシア南部のソチで始まりました。この協議は、停戦の徹底や今後の政治プロセスについて話し合うチャンスですが、協議の成功を妨げる障壁も残っています。
今回の和平協議には、シリア国内外の反政府勢力などから1600人が招待されているほか、国連のデミストラ特使も参加します。
国連のデミストラ特使 |
和平回復のチャンス
ロシアが主導する今回の和平協議は、国連主導の和平協議が行き詰まる中、行われるもので、進展を見せるであろうと期待されています。これに先立つ26日、ウィーンで、国連主導のシリア和平協議は、目立った進展を見せずに、閉幕しました。この協議が行われるのは今回が9回目です。
国連主導の和平協議は、アサド政権と反政府勢力による直接対話が実現しないまま行き詰まっていて、現在も首都ダマスカス近郊や北部イドリブ県などで戦闘が続いています。そのため、ロシア主導の和平協議は、その行き詰まりの打開に弾みをつけると期待されています。
障壁も残っている
しかし、国連主導の和平協議にシリア反体制派側の代表団として参加している「シリア国民連合」は27日未明、ツイッターで、ロシア主導の会議には参加せず、国連協議を唯一の交渉の場として支持する考えを示しています。これは、7年に及ぶシリア内戦の解決を目指すロシア政府の外交努力に打撃を与える事態を招いています。
そして、シリア内戦に関わった各勢力はかつて、イスラム過激派組織IS「イスラム国家」の撲滅という目的を共有していましたが、ISがシリア全土から撤退した後、それぞれの勢力は自らの利益しか追求していません。そのため、シリア内戦の終結への道のりは簡単なものではないと見られています。