ロシア大統領の中東歴訪

ロシアのプーチン大統領は27日、イスラエル、パレスチナ、ヨルダンの中東3カ国歴訪を終えました。この歴訪は48時間しかありませんでしたが、緊張が増している中東情勢の打開策を模索しながら、中東地域におけるロシアの地位の向上も目指すものとみられています。

プーチン大統領は25日、イスラエルを訪問し、エルサレムでネタニヤフ首相と会談しました。この会談について、プーチン氏は「内容のある非常に有益な会談だった」と述べました。また、プーチン大統領は同日夜、ペレス大統領と会談し、核兵器開発が疑われるイランへの武力行使について「アフガニスタンやイラクでアメリカに起きたことを見よ」と述べ、性急な攻撃を自制するよう忠告しました。

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プーチン大統領とネタニヤフ首相

イスラエルはイランの核武装阻止のため武力行使も辞さない構えですが、プーチン氏のこの発言は、戦争が始まった場合、泥沼化する事態を警告したものとみられます。プーチン氏は、アメリカが2003年にイラクのフセイン政権を敵視して戦争に踏み切った結果、「イラクには親イラン政権ができた。このことは、後悔するようなことを行う前に考えておくべきだ」と指摘し、「同じことをアメリカのオバマ大統領にも話した」と明らかにしました。

プーチン大統領はイスラエルを訪問したのに続き、26日はヨルダン川西岸のベツレヘムを訪れ、パレスチナ暫定自治政府のアッバス議長と会談しました。会談後の共同記者会見で、プーチン大統領は「すべての一方的な行動は建設的ではない」と述べて、イスラエルによる国際法違反とされる入植活動を非難すると同時に、場合によっては交渉を経ずに国連で事実上の国家承認を求めるとしているパレスチナ側にも自制を呼びかけました。これに対し、アッバス議長は、「交渉を通じてしか、イスラエルとの和平は実現できない」と述べ、おととしの秋以降、中断している和平交渉の再開に向けて、アメリカなどとともに仲介役を務めるロシアの協力を求めました。

国際世論は「プーチン大統領の言動と最近のロシアの中東外交政策から見れば、ロシアは中東地域の平和建築家になりたい意向がある」との分析を出し、「ロシアの仲介役によりこの地域が早期に平和と安定を取り戻す」との期待感を置いています。

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