ワクチン外交・今年上半期の外交分野における重要な成果
(VOVWORLD) - 今年上半期、ベトナムの対外活動が創造的かつ臨機応変に展開され、前向きな成果を収め、政府が打ち出した「疫病対応と経済発展」という二重目標の遂行に貢献してきました。
新型コロナウイルス感染症が蔓延している中で海外からのワクチン調達を目指す外交上の取り組み、いわゆる「ワクチン外交」が精力的に行われ、ワクチン戦略の実施に寄与しています。
ワクチン接種、新型コロナとの闘いの重要な戦略
ワクチン供給源が不足し、各国間のワクチンの分配が不公平であると訴える声が高まっている背景の中でベトナムは二国間、及び多国間の関係を活用し、「ワクチン外交」を積極的に展開しています。ダン・ホアン・ザン外務次官は次のように語りました。
(テープ)
「統計によりますと、ワクチンの75%が富国に集まっており、貧困国への供与が少ないです。東南アジア諸国は主に発展途上国であり、ワクチン供給源へのアプローチが難航しています。多くの国がワクチンの調達に悩んでいます。こうした中、ベトナムは地域諸国に先駆けてワクチンへのアプローチを推進してきた結果、『コバックス・ファシリティ』から大量のワクチン供給を受け取った東南アジアの2番目の国となりました。」
新型コロナワクチン、タンソンニャット空港に到着 |
現時点でベトナムに供与されたワクチンは9百万回分となり、ワクチン接種を受けた人口は4百万人を超え、その中のおよそ30万人が2回目の接種を受けました。また、これまで、ベトナムは1億2400万回分のワクチン調達契約を結んでおり、そのうち、3890万回分がコバックス・ファシリティから供与され、3千万回分がベトナムワクチン株式会社(VNVC)を通じて購入されるアストラゼネカ(AstraZeneca)製の新型コロナウイルスワクチンで、3100万回分がアメリカの製薬大手ファイザーと結んだ購入契約から調達されるもので、5百万回分がZuellig Pharmaグループを通じてアメリカの製薬会社「モデルナ(Moderna)」から輸入されるものです。さらに、T&Tグループはロシア直接投資基金からロシア製のワクチン「スプートニクV(Sputnik V)」の購入を交渉しています。ロシア連邦はベトナムに「スプートニクV(SputnikV)」2千万回分を無償で供与すると確約しました。一方で、中国の医療集団シノファーム(Sinopharm)製のワクチン「ベロセル」50万回分を無償で受け取ったほか、インドのバーラト・バイオテックが開発している「Covaxin(コヴァクシン)1500万回分の購入を交渉中です。
7月14日、グエン・スアン・フック国家主席はルーマニアのクラウス・ヨハニス大統領と電話会談を行った際、ルーマニアからアストラ・ゼネカ製のワクチン10万回分の無償供与を得ました。
豪のティーハン貿易・観光・投資大臣、ファム・ビン・ミン副首相と会見 |
これに先立つ13日、オーストラリアのダン・ティーハン貿易・観光・投資大臣は「オーストラリア政府はベトナムにアストラ・ゼネカ製のワクチン150万回分や、ベトナムの新型コロナワクチンの調達・接種に4千万オーストラリア・ドルを供与する」と明らかにしました。他方、日本政府はベトナムにアストラ・ゼネカ製のワクチン100万回分を追加供与するとともに、ベトナム企業とワクチンの臨床試験、生産技術移転・販売を行う用意があると表明しました。
断固たる措置
こうしたワクチンを調達するため、国外駐在ベトナムの90あまりの代表機関は国家を代表して、所在国の関係機関と主体的に協議し、ベトナムの高級指導者をはじめ、保健省や外務省の指導者と外国のパートナーや国際組織の代表との電話会談を手配しました。外務省・多国間経済局のグエン・ミン・ハン局長は次のように語りました。
(テープ)
「ワクチン調達を目指し、主体的に交渉してきました。ただ、ワクチン製造会社は公約した期限に従ってワクチンを供与するわけではありません。ですから、私たちは状況を見守りながら、彼らに働きかけてゆく必要があります。」
世界保健機関によりますと、ワクチン不足は9月まで続くと予測されています。これを踏まえ、政府と首相は「ワクチン外交」を加速させると同時に、各国と国際組織にワクチン供与やワクチン製造技術の移転を働きかける方針です。「ワクチン外交」の実施で収められた成果は今後もベトナムの新型コロナとの闘いと経済回復に原動力をつけることでしょう。