(VOVWORLD) - 米中の貿易戦争は一時的に休戦になっていますが、両国の貿易摩擦解決は難航すると見られています。
米中の貿易戦争は一時的に休戦しています。両国の貿易摩擦に関する協議が成功したのです。しかし、中国による知的財産の侵害の問題など残された課題も多く、貿易摩擦が解消されるかは不透明な状況です。
貿易戦争への休戦努力
米中両政府は19日、貿易摩擦をめぐる閣僚級協議に関する共同声明を発表しました。アメリカの対中貿易赤字の大幅な削減に向け、中国が効果的な取り組みを進めていくことで一致しました。中国はアメリカ産農産物やエネルギーを大量に輸入すると公約しました。米中はまた、関税引き上げなどの措置を棚上げすることでも合意しました。
ムニューシン財務長官は20日、FOXニュースのインタビューで中国との貿易摩擦について、「我々は、枠組みの完成のために努力する間は、関税を棚上げすることで一致している」と述べ、貿易赤字の大幅な削減に向けて中国と協議を続けている間は、関税の引き上げなどの措置を棚上げすることで中国側と一致したことを明らかにしました。
協議に参加した中国の劉鶴副首相は、国営メディアのインタビューで、「米中が貿易戦争をせず、互いに追加関税措置を停止することで合意したのが最大の成果だ」と述べたうえで、アメリカからの輸入拡大に前向きな姿勢を示しました。その一方で、「輸出国は自らの製品とサービスの競争力を向上させ、中国の国民が買いたがるようにしなければならない」と、交渉がアメリカ優位ではないことも強調しています。
課題はまだ山積
今回の貿易摩擦の主な原因の一つは、アメリカの対中貿易赤字です。アメリカにとって中国は最大の赤字国です。2017年のモノの対中貿易赤字は3752億ドル(約42兆円)と赤字全体の約半分を占めました。
しかし、今回の協議に参加した両国の高官は米中がこれまで表明した関税や報復措置を、どのように撤回するかについては触れていません。米中が19日に発表した貿易協議に関する共同声明でも、関税などの扱いについて言及はありませんでした。
そして、アメリカは常に、中国による知的財産の侵害を強調しているのに対し、中国はそれを否定しています。そのため、米中の貿易戦争は一時的に休戦になっていますが、両国の貿易摩擦解決は難航すると見られています。