SCO=上海協力機構首脳会議は7日、2日目を迎え、北京の人民大会堂で全体会合を開きました。会合では、テロ対策、麻薬や越境犯罪の取り締まり、開発銀行の創設やエネルギー、食糧、交通、通信分野の協力と国際競争 力の向上、関係国や関係機関との交流、自然災害発生時の通報や救援隊派遣、救援物資提供の分野での協力強化が主な議題となります。近年、SCOの役割は徐々に高まっており、今回の会議は同機構に新しい展望をもたらすと評されています。
SCOには、中国やロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン加盟6カ国に加え、イラン、モンゴル、パキスタン、インドがオブザーバー参加しました。また、アフガニスタン とトルクメニスタン、および、SCOの対話国であるベラルーシ、スリランカも招待されました。参加者らは、SCOの中期発展戦略計画を承認するとともに、イラン の核問題やシリア情勢を巡り、中国の胡錦濤国家主席が関係国の対話を通じた解決を改めて呼びかけ、加盟国も同意する見通しです。また、アフガニスタンのオブ ザーバー参加や、トルコを招待参加国とすることも承認されるとみられます。
アフガニスタンのオブザーバー参加に関しては、胡主席がSCO加盟国の報道機関合同取材に「この会議でアフガニスタンをオブザーバーとして認め、アフガン再建プロセスを支える」と答えました。SCOは、アフガニスタンが旧タリバン政権時代はテロリストの温床として警戒し、カルザイ政権発足後は欧米寄りとしてメンバー受け入れを見送ってきました。しかし、ISAF国際治安支援部隊が2014年末までに撤収するため、テロ対策の観点からもアフガニスタンを取り込む必要性が強まっていました。中国にとってアフガニスタンは資源開発面でも重要とみられています。中国石油天然ガスグループは昨年、アフガニスタン北部の油田開発の契約を結び、別の中国系企業は世界最大規模のアイナク銅山の採掘権を取得しました。
SCOは2001年に設立されましたが、迅速に発展しています。統計によりますと、年平均25%増加しているSCO加盟諸国の年間貿易額は約4兆7000億ドルに達し、そして、2011年のGDP=国内総生産は9兆3000億ドルを超えました。
こうした中、アナリストらは「今後もSCO加盟諸国間の全面的協力関係が絶えず強化され、その影響範囲が引き続き拡大していく」との見解を示しています。