中国の温家宝首相はアイスランドのシグルザルドッティル首相、スウェーデンのラインフェルト首相、ポーランドのトゥスク 首相、ドイツのメルケル首相の招きで、20日に専用機で北京をたち、アイスランド、スウェーデン、ポーランドへの公式訪問を開始しました。また、今回の歴訪で、ドイツ・ハノーバー・メッセの 開幕式及び中国パートナーイベントにも出席します。今回の温首相の欧州歴訪は中国とこれらの国々との経済関係強化にとって、重要は意義をもつものだと評されています。
温首相は20日、アイスランドのレイキャビクでシグルザルドッティル首相と会談し、天然資源が豊富な北極の開発について協力することで一致しました。温氏は「中国は北極海を使った海上輸送などでアイスランドと現実的な協力を進める用意がある」と語りました。シグルザルドッティル氏は「中国が北極の平和的な開発に参加することを支持する」と表明しました。
一方、22日、温家宝首相はドイツのメルケル首相と会談しました。メルケル首相は「2011年のドイツ・中国間の貿易総額は1440億ユーロ(約15兆5500億円)に達しており、さらに関係を発展させたい」と述べ、経済関係を拡大させたい考えを表明しました。温首相は「中国は市場開放を進め、知的所有権の保護を強化する」と強調しました。現在、中国の対EU=欧州連合貿易総額の3分の1をドイツが占めています。
温首相とメルケル首相
これより前に、同日、温首相はドイツ北部ハノーバーでの産業見本市の開幕式典で挨拶し、これまでの両国関係について「対話を促進させるため緊密な協力を図っている」と評価しました。共に式典に出席したメルケル首相は「両国間の理解が少しずつ深まってきている」と応じました。
ドイツの後、スウェーデンとポーランドは温家宝首相の次の目的地となっています。北極評議会のメンバーであるスウェーデンに対しては、温首相は中国が同評議会の永久オブザーバーになることや中国の北極参入などを支持するよう働きかけるとみられます。
1週間にわたる温家宝首相のこの歴訪は中国が世界第2の経済大国としての地位を保つことに寄与するとみられます。