中東和平交渉が行き詰まるなか、アメリカのカーター元大統領がエルサレムを訪問し、イスラエルとパレスチナの双方に対して和平の仲介役としてアメリカ政府が及ぼす影響力が失われているという懸念を示しました。
中東を訪問しているアメリカのカーター元大統領は22日、エルサレムで記者団に対し、「イスラエルが将来のパレスチナ国家の樹立を妨げている」と述べ、パレスチナのヨルダン川西岸で国際法に違反してユダヤ人の入植活動を続けているイスラエルを厳しく批判しました。そのうえで、カーター元大統領は、「アメリカ政府が中東和平問題に関与しなくなりつつあり、イスラエルとパレスチナ、双方に対しての影響力がゼロになっている」と述べ、和平の仲介役としての影響力が失われているとしてオバマ政権の中東政策を批判しました。
カーター元大統領は中東和平問題の解決を目指して長年活動を続けており、2週間後に迫ったアメリカ大統領選挙を前に中東和平交渉の再開の兆しすら見えない現状について元大統領がオバマ政権に苦言を呈した形です。
このような中、パ レスチナ自治区ヨルダン川西岸で20日に実施された地方選で、中央選挙管理委員会が21日発表した暫定開票結果によると、自治政府主流派 ファタハは西岸第2の都市の北部ナブルスなど複数の都市で独立系会派などに敗北しました。
ファタハへの民衆の不信感があらわになりました。ファタハと反目するイスラム原理主義組織ハマスが選挙参加を拒否したため、ファタハの圧勝が予想されていた。ファタハを率いるアッバス自治政府議長には痛手です。
イスラエル軍は23日夜、パレスチナ自治区ガザ北部ベイトラヒヤを戦闘機でミサイル攻撃した。ガザを支配するイスラム原理主義組織ハマスによると、ハマスの戦闘員ら2人が死亡、6人が負傷しましました。
イスラエル軍報道官は、イスラエルに向けロケット弾を発射しようとしていた武装勢力に攻撃したとしています
23日朝には、イスラエルとガザの境界地帯をパトロールしていたイスラエル軍部隊の近くで爆発があり、軍兵士1人が負傷しました。ガザの武装勢力が敷設した道路脇の仕掛け爆弾によるものとみられています。