中東和平をめぐる問題


アメリカが仲介を務めるイスラエルとパレスチナの和平交渉は6日、決裂の危機回避を目指した協議がエルサレムで行われたものの、突破口を見出せないまま終了しました。


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(イメージ:tyglobalist.org)

中東和平交渉を巡っては、先週、イスラエルが収監中のパレスチナ人の釈放を見送ったことにパレスチナ側が反発し、和平交渉の間は控えるとしてきた15の国際条約への加盟申請に踏み切りました。

まだ独立国ではないパレスチナが国際条約への加盟を申請したことに対し、イスラエル側は和平交渉をないがしろにするものだと非難しており、ネタニヤフ首相は6日、閣議で「一方的な行為には一方的な行為で応じる」と述べ、対抗措置も辞さないとする強硬姿勢を示しました。

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を条件として取材に応じたパレスチナ当局者は、「危機的状況は続いている。イスラエル側は、協議の間、ずっとパレスチナ側を脅していた。危機の打開策は見つからなかった」と述べました。

一方、イスラエル側の当局者は、イスラエルのニュースサイト「Yネット」に対し、「パレスチナとの対応を、今回の交渉が始まった9か月前よりも前の状態に戻すための準備を、イスラエルは進めている」と語り、和平交渉が決裂の瀬戸際(せとぎわ)まで来ていると警鐘を鳴らしました。

◇和平交渉決裂の恐れも

和平交渉はアメリカ仲介のもと、昨年7月に再開されました。4月末を期限とし、イスラエルは4回にわたり計104人のパレスチナ人服役囚(ふくえきしゅう)を釈放し、パレスチナは事実上の「国家」として単独で国連機関や国際条約に加盟申請しないことを条件に協議を開始しました。

しかし交渉は難航し、米国が期限延長を持ちかけていました。両交渉団は2日、アメリカのインディク中東和平特使を(まじ)えて約3カ月ぶりの直接協議に臨みました。リブニ法相は、4回目の釈放実施を検討していたところにパレスチナが国際条約への加盟を申請したと非難しました。

パレスチナが加盟申請を撤回せず、交渉を延長できなかった場合、制裁措置も検討しているということです。これに対し、パレスチナを代表するエラカト交渉局長は3日、5月以降も交渉を継続する条件として、1967年の第3次中東戦争以前の境界を将来の国境の基本とすることや、イスラエルによるガザの封鎖政策の撤廃など、8項目を提示しました。

和平交渉は今月末に交渉期限が迫っていますが、仲介役を務めるアメリカのケリー国務長官は、歩み寄りの機運が一向に見えないなか、このまま仲介を続けるのかどうかも含めて検討すると両者をけん制しています。

イスラエルとパレスチナの交渉担当者は継続に向けた協議を続けていますが、対立は解消されておらず、和平交渉が決裂するおそれが強まっています。

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