中東和平プロセスの促進


中東のパレスチナを『国家』として承認する動きがヨーロッパで広がっています。2日にはフランス議会が承認賛成の決議を採択しました。


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フランス議会下院は2日、パレスチナを国家として承認するよう、政府に対して求める決議を賛成339、反対151で採択しました。中東和平が停滞する中、入植地の拡大を続けるなど、強硬な姿勢を崩さないイスラエルに対し、圧力をかける狙いがあります。


平和のための国際社会の努力

決議では「パレスチナを国家承認することで紛争を完全に解決することを目指す」としています。今回の決議に法的拘束力は無く、フランス政府は今のところ「和平交渉の再開を促したい」との立場ですが、ファビウス外相も先月、「和平交渉が失敗に終わったなら、フランスはパレスチナの独立を認める」と述べています。

そして、議会としては決議によってフランス政府に対して中東和平の実現へ向けてより積極的な役割を求めるねらいがあるものと見られます。これに対し、パレスチナ側の指導者らは、謝意を表明するとともに、フランス政府に対し「動議の内容を実行に移す」よう促しました。


新しいアプローチ方法

欧米諸国はかねて、中東和平プロセスでの合意に基づくパレスチナ国家の承認を目指していますが、交渉は4月に中断したままとなっています。こうした中、欧州各国では新たな 打開策を模索する動きが出ており、イスラエルに対する圧力が高まっています。

ヨーロッパでは、スウェーデンが10月末にパレスチナを国家として承認したほか、イギリスやアイルランド、スペインの議会でも、10月から11月にかけて今回と同じような決議が相次いで採択されています。

一方、アラブ連盟は11月29日、カイロで外相会合を開き、パレスチナ国家の樹立を期限付きで定めた決議案を、国連安全保障理事会に提出することを決めました。ヨルダンが決議案を近く提出するということです。

パレスチナ自治政府のアッバス議長は、イスラエルによる占領終結の期限を設けなければ同国との交渉は「無意味だ」として、安保理決議を求める方針を表明していました。

中東情勢をめぐり、欧州だけでなく、世界各国でパレスチナを「国家」として承認する動きが強まっており、そして、今後も強まっていくと予測されています。従って、パレスチナ自治政府はこれまでに135か国から国家承認が得られたとしています。こうした中、アメリカの同盟国イスラエルの今後の反応は焦点となると評されています。

 

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