約一週間続き、200人の死者が出ているガザ地区での衝突は21日夜、イスラエルとパレスチナのイスラム原理主義組織ハマスとの停戦合意により、一時的に停止しています。イスラエルとハマスが停戦に合意しましたが、その後もイスラエル側には散発的にロケット弾が着弾し、長期的な停戦が実現するかどうかは予断を許さない情勢です。
イスラエルとパレスチナ暫定自治区のガザ地区を実効支配するハマスは今月14日から激しい戦闘を続けてきました。統計によりますと、民間人を含む少なくとも200人が死亡しました。国際社会の介入などにより、イスラエルとハマスは停戦に合意し、現地時間の21日午後9時に停戦が発効しました。
停戦が発効したあと、ガザ地区ではイスラエル軍による空爆や砲撃はないということですが、イスラエル軍によりますと、イスラエル側に5発のロケット弾が着弾したということです。
アナリストらは「今回の合意には小規模なパレスチナの武装勢力は参加しておらず、ガザ地区からのロケット弾攻撃がさらに続く可能性がある」と指摘し、「持続的な停戦が実現するかどうかは予断を許さない情勢だ」との懸念を示しています。
今回の合意では、ガザ地区の経済封鎖の解除が盛り込まれており、これまで制限されてきた医薬品や建設資材などの物資が持ち込まれることが期待されていますが、イスラエルがどこまで認めるのかも不透明な状況です。
合意では、停戦違反があった場合は、エジプト政府が対応することが定められており、ハマスと深いつながりがあるモルシ政権やイスラエルに強い影響力をもつアメリカ政府が関与していくことが停戦の成否の鍵を握っています。
国連安全保障理事会は21日、イスラエルとハマスの停戦合意を「歓迎する」とのプレス声明を採択しました。声明は、合意の目的が「持続可能な停戦」にあるとし、双方に「誠実な履行」を要請しました。
一方、これに先立ち、停戦要請のために中東を歴訪していた潘基文国連事務総長がテレビ回線で安保理に報告し、「合意の詳細を確固たるものにしなければならない」と述べ、イスラエルのガザ封鎖解除やパレスチナ側の武器密輸停止を求めました。
世論は「紛争を武力行使で解決することは良い方法ではない」と指摘した上で、「関係各側が武力衝突を避けるために交渉の座につくよう」希望しています。