(VOVWORLD) - ベトナムは常に、人身売買防止対策を優先課題とみなしています。その活動にあらゆる力を集め、発揮させるため、2016年5月10日、政府は、毎年7月30日を「全国民あげての人身売買防止対策の日」と定めました。これは、人身売買防止対策のためのベトナムの努力を示す証とみられています。
人身取引犯罪を逮捕 写真提供:An Kien
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人身売買防止対策の強化を目指し、政府は2016∼2020年期における人身売買防止対策のための行動計画を立案しました。その目的は、人身売買に関わる犯罪の削減、被害者の保護とその社会復帰の支援などとなっています。
絶え間ない努力
人身売買防止対策の効果向上を目指し、ベトナムは政策・法律の完備に力を入れており、犯罪の取り締まりや、被害者支援に便宜を図っています。また、人身売買に関わる犯罪との戦いで、自国の国際責任を示しています。現在、ベトナムはこの分野での国際協力を促進しています。
ベトナムは、2012年6月8日に国際的な組織犯罪の防止に関する国連条約に、2011年12月29日に国際組織犯罪防止条約の人身取引議定書とILO=国際労働機関の強制労働条約に加盟するとともに、女性と児童をはじめとする人身取引防止対策に関するASEAN条約を批准しました。
JICA=日本国際協力機構の支援を受け、ベトナムは被害者支援及びカウンセリングのための人身取引対策ホットラインを設定しています。このホットラインは、被害者支援と人身取引対策の強化や、この分野での協力・連携の促進とその効果向上に役立っています。
また、今月22日と23日の両日、中部ダナン市で、「不法移民・人身取引及び関連する国境を越える犯罪に対する地域協力の枠組み」いわゆるバリ・プロセスの第14回高級実務者会合が行われました。
「バリ・プロセス」と呼ばれる地域メカニズムがアジア太平洋地域における人身取引の問題解決のために2002年2月に創設 されましたが、その直後、ベトナムは加盟しています。これを通じて、ベトナムは国際社会の責任あるメンバーとして、人身売買の防止や世界の平和、安定、繁栄に貢献することが狙いであるとしています。
事実を歪曲する中傷論調
しかし、こうした中、ベトナムの努力を否定し、事実を歪曲する声も上がっています。先ごろ、アメリカ国務省は報告書を発表し、ベトナムでの人身取引状況に対し、批判的な見方を示しています。
この報告は、客観性に欠ける正しくない情報を引用し、「2018年、ベトナムでは350件の人身売買事件が発生し、2016年と比べ増加している」としていますが、これは事実ではありません。ベトナムの関係各機関の統計によりますと、同年、ベトナムの当局は211件の人身売買事件を発見し、前年と比べ44%減となっています。また、490人の被害者を救出したということです。
全世界で人身取引が増加・深刻化していることは事実です。問題解決のために、各国の努力と緊密な協力が求められています。こうした中、アメリカ国務省の報告は問題解決に役立たず、状況を複雑化させるものと評されています。この報告書の有無を問わず、ベトナムは、人間の安全確保のために、人身売買防止対策を強化していく方針です。