任期後半に入ったオバマ大統領


アメリカ上院は先日、イラン核問題の最終合意をめぐる採決をし、野党・共和党が提出した不承認決議案が否決されることが確実となりました。これを受け、オバマ大統領は声明で「外交の勝利」を宣言し、合意を履行する意向を改めて表明しました。


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(写真:Baomoi)

イラン核合意について、オバマ氏は「イラク戦争以来、最も重大な国の安全保障をめぐる論争」と位置づけ、反対する議員らの説得を続けてきました。


第二期の得点

オバマ大統領は第二期を始まってから、経済振興と社会改革を優先課題にし、国内問題の解決、及び国防費の大幅削減に集中的に行ってきました。オバマ大統領の第二期における最も大きな成果は、アメリカ経済の回復を成功させたことです。

最新の統計によりますと、第二四半期にアメリカ経済の成長率は3.7%に達した他、インフレ率は遥かに低下している一方、失業率は5.1%に下回りました。社会改革分野では、移民政策の変更、雇用創出、医療保険制度改革が加速されるようになりました。特に、オバマ政権が推進する医療保険制度改革は、中・低所得者に医療サービスを提供ています。

外交政策では、オバマ大統領は、アメリカが世界問題の解決に力を浪費する代わりに、国内のことに集中する必要がある」という見解を堅持しています。そこで、アメリカ主導で行われた対アフガニスタン軍事作戦及びイラク戦争の停止はオバマ大統領の最優先課題の一つでした。

持続可能な外交路線を堅持するオバマ大統領はイラン核合意の達成において再び成功を収め、石油資源が豊富な中東湾岸国との新たな協力段階を切り開いています。

一方で、キューバとの国交正常化はオバマ大統領の外交路線の成功の一つであり、第二期中の信任度上昇に繋がっています。オバマ大統領は、共和党から「国交正常化は、キューバを利するだけだ」という批判を浴びせられたものの、それらの批判を無視して、自分の優先外交政策を堅持してきました。

それは、オバマ大統領の成功となりました。残りの任期が1年以上を切り、キューバとの国交正常化と並ぶ「外交レガシー(遺産)」を積み上げることになりました。


任期満了後の方向

その他、TPP=環太平洋経済連携協定合意を巡りアメリカの貿易促進権限法案が成立したことや、ISイスラム国との戦い、あるいは、アメリカの同盟国との関係強化、イスラム世界との関係改善に努力したことはオバマ外交の成功といえます。大統領の任期終了段階にきて、自らの公約を実現するようになりました。

これまでに、オバマ大統領が推進してき政策の結果に反論する声は相次いでいますが、外交政策はアメリカ政権に大きな利益を与えたということは否定できない事実です。オバマ大統領は世界におけるアメリカの影響力の増強に大きく寄与してきました。


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